名前に使える漢字のルール — 人名用漢字と常用漢字
赤ちゃんの名前に使える漢字は法律で定められています。 出生届を提出する前に、使いたい漢字が認められているかを確認しましょう。
1. 人名用漢字とは(2999字)
日本では、子どもの名前に使える漢字は「人名用漢字」として法律(戸籍法施行規則)で定められています。 人名用漢字は、常用漢字(2136字)と法務省が別途指定した人名用漢字(863字)を合わせた計2999字です(2023年現在)。
人名用漢字は時代に合わせて追加・変更されてきました。2004年には「曽・毬・琥・穹」など 488字が一度に追加されるなど、大規模な改訂が行われています。 また、平仮名・片仮名はすべての文字が使用可能です。
確認方法: 法務省のウェブサイトで人名用漢字の一覧を確認できます。 また、このサイトの名前検索機能でも、人名用漢字の範囲内で候補を提案します。
2. 常用漢字との違い
常用漢字(2136字)は、新聞・教科書・公文書など日常生活で使われる漢字の基準です。 常用漢字はすべて名前にも使えます。
一方、人名用漢字(863字)は、常用漢字には含まれないが、 名前に使うことが特別に認められた漢字です。 「琉・葵・紬・凛・碧」など、名前によく使われる漢字が多く含まれています。
常用漢字の例(名前でも使用可)
陽・花・海・空・翔・優・樹・誠・拓・恵
人名用漢字の例(名前のみ使用可)
琉・葵・紬・凛・碧・柊・蓮・颯・凪・瑛
3. 使えない漢字の例
人名用漢字・常用漢字のいずれにも含まれない漢字は、原則として名前に使えません。 また、漢字として存在していても、表記・印象上の問題から認められないケースがあります。
| 漢字 | 使えない理由 |
|---|---|
| 娼 | 娼婦・売春を連想させる漢字 |
| 賭 | 賭博を連想させる漢字 |
| 糞 | 不快感を与える漢字 |
| 癌 | 病気を直接表す漢字(人名用漢字外) |
| 呪 | 古くは人名用漢字外だったが2004年に追加 |
なお、役所が受理を拒否できるのは漢字の種類についてのみです。 「名前として不適切」という理由で社会通念上問題のある名前を拒否することは、 現行法では非常に難しく、議論が続いています。
4. 読み方に制限はあるか
これまで日本の戸籍法には、名前の読み方(フリガナ)を制限する規定がありませんでした。 そのため、漢字の一般的な読み方とかけ離れた名前(例:「大」と書いて「まさる」など)も 法律上は認められてきました。これが平成以降のキラキラネーム問題の一因となっています。
2024年の戸籍法改正により、戸籍へのフリガナ記載が義務化される方向で手続きが進んでいます。 改正後は「一般に認められている読み方」から著しく外れた読み方は 受理されない可能性があります。漢字の本来の音訓に基づいた、 自然な読み方の名前をつけることをおすすめします。
注意: 読み方の法制化は2026年以降に施行予定ですが、 具体的な基準はまだ確定していません。最新の法務省・市区町村の情報を確認してください。
5. 届出の手続き
赤ちゃんの名前は、出生後14日以内に市区町村役場へ出生届を提出することで届け出ます。 出生届には「名前の漢字」と「読み仮名(フリガナ)」を記入します。
- 1病院で「出生証明書」を受け取る(出生後すぐ)
- 2市区町村役場に出生届を提出(出生後14日以内)
- 3使用漢字が人名用漢字・常用漢字の範囲内かを窓口で確認される
- 4受理後、戸籍に記載され正式な名前となる
使いたい漢字が人名用漢字かどうか不安な場合は、事前に市区町村窓口や法務局に確認しておくと安心です。 役所によっては電話やメールで事前確認にも応じてくれます。