◆ 元の意味(古代)
水際の平らな砂地。波が静かに打ち寄せる岸辺。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
tei
画数
5画
成り立ち
形声
部首
水(さんずい)
分類
人名用漢字
水と陸が出会う渚(なぎさ)を表す形声字。和歌の景物として愛された雅字。
ORIGIN
『説文解字』水部に「汀、平なり。水に从ひ丁聲」とあり、許慎は水際の平らかな砂地を本義とする。字形は意符「氵(水)」と声符「丁(テイ)」から成る形声字で、藤堂明保『漢字源』は「テイ」音を「定(さだまる)」「停(とどまる)」と同系とし、「水が打ち寄せ静かに止まる平らな場所」の意の音核に位置づける。白川静『字統』は、水と陸の境を表す「汀」が、古代中国においては祭祀や禊(みそぎ)の場として神聖視されたと指摘し、川の岸辺や海浜が聖と俗を分かつ境界として観念されたことを述べる。古典では六朝の謝霊運・謝朓らの山水詩、唐の王維・孟浩然らの自然詩に「汀」がしばしば登場し、水辺の静謐な情景を象徴する詩語として確立した。日本でも『万葉集』に「渚(なぎさ)」「水際(みぎわ)」と訓じて多く詠まれ、平安朝の『古今集』『新古今集』では「汀の千鳥」「汀の月」など、雅趣ある景物として和歌の重要モチーフとなる。明治期以降、人名用漢字として女子名に用いられ、波打ち際の清らかさ、陸と水の境界に立つ静かな美しさを象徴する。命名では涼やかな響きと景趣ある雅やかさを兼ね備える優美な字として愛される。
構成要素
氵(水)+丁(声符)。水が静かに止まる平らな水際。
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
水際の平らな砂地。波が静かに打ち寄せる岸辺。
みぎわ、なぎさ。水辺の景趣を含意する詩的な字。
★清らかな水辺の静謐、雅趣ある優美さを湛える字。女子名に格調を添える。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。