◆ 元の意味(古代)
川の固有名、転じて水の泡・しぶき
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KANJI ETYMOLOGY
matsu
画数
8画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
—
水面に咲き、消えゆく繊細な泡の煌めき
ORIGIN
『説文解字』水部に「沫は水なり。蜀広漢に出づ。水に从い末聲」とあり、本来は古代の蜀・広漢地方を流れる川(沫水)の固有名であった。後世、「末(こずえ・先端)」を音符とする形声字として、水の表面に浮かぶ末端の泡、すなわち「あわ」「しぶき」の意に転用された。白川静『字統』は、「末」を木の梢の象形とし、水の末端・先端に立つ細かな泡や飛沫を象徴する字と解説する。藤堂明保『漢字源』も「末」を「先端・末端」の音符兼意符と捉え、波や流れの先端に立つ細かな水しぶき・泡沫を表す形声字とする。『荘子』大宗師篇「相濡うるに沫を以てす」(魚が陸に取り残され、互いに口の泡で潤し合う)は名高い句で、はかなき情の譬えとなった。仏典では「水沫」「泡沫」が無常迅速の譬喩として頻出し、『金剛経』の「夢幻泡影」の世界観に通じる。日本では『古今集』『新古今集』以来、波の沫、月光に揺らぐしぶきが繊細優美な情趣として詠まれ続けた。名前に用いれば、儚くも美しく煌めく繊細さ、純粋無垢な情の細やかさ、刹那の美を慈しむ感性を象徴する雅字となる。
構成要素
氵(水)+末(音符・先端)
STROKE ORDER
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MEANINGS
川の固有名、転じて水の泡・しぶき
あわ、しぶき、泡沫、はかないもの
繊細で清らかな煌めきを放つ、純粋で詩情豊かな人
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。