◆ 元の意味(古代)
声を立てず涙だけを静かに流すこと
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KANJI ETYMOLOGY
kyuu
画数
8画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
声を立てず静かに涙する深き情、内に秘めた優しさを示す字
ORIGIN
『説文解字』水部に「泣は涕に声無きを泣と曰う」とあり、許慎は本字を、声を上げて泣く「哭(こく)」と区別し、声を発さず涙だけを流す静かな涕泣と明確に定義した。形声構造は意符「氵(水)」と声符「立」からなる。「立」は人が大地に直立する象形で、止まる・据わるという意を持つ。これに水を加えることで、立ち尽くしたまま涙が静かに流れる様、すなわち声なき泣きの姿が表される。白川静『字統』は、「立」を地の上に人が両足を踏みしめて立つ形と解し、「泣」を、激情を内に堪え、姿勢を保ちながら涙する深く抑制された悲しみの表現とした。藤堂明保『漢字源』は、「立」「泣」「粒」を同族とし、「一点に集中して止まる」という共通核を見出す。すなわち「泣」は、感情が一点に凝縮し、滴となって落ちる静かな結晶である。古典では『孟子』に「先王の道を聞きて泣く」とあり、深い感動による涙を表現する。『史記』項羽本紀の「四面楚歌」場面では、項羽が美人虞姫の前で「泣数行下る」と描かれ、英雄の人間味を象徴する名場面となった。日本古典でも『源氏物語』『平家物語』に「うちしのびて泣く」と頻出し、雅な情感の表現に用いられる。現代でも「号泣」と「泣」は対比され、後者には抑制された深い情緒が宿る。
構成要素
氵(涙)+立(立ち尽くす・止まる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
声を立てず涙だけを静かに流すこと
なく、涙を流す、感極まる
★深い情愛と共感力、人の痛みに寄り添える優しさ、繊細な感受性
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。