◆ 元の意味(古代)
うるおう、ぬれそぼつ
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KANJI ETYMOLOGY
aku
画数
12画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
人名用漢字
うるおいが満ち情の厚いさまを示す字。
ORIGIN
『説文解字』水部に「渥は霑なり。水に从ひ屋聲」とあり、許慎は形声字として水(氵)を意符、屋(オク)を声符とすると説く。屋は尸(人の屈むかたち)と至(矢が地に至る)から成り、覆い包んで安らぐ場所、すなわち屋根の下を意味し、「覆う・行き届く」の語感を持つ。白川静『字統』は、渥を雨露が屋根の下まで及び、地を隅々まで潤すさまと解し、転じて恩沢が広く行き渡る、情愛が深く厚いという情意的な意味へ展開したとする。藤堂明保『漢字源』は同系語として「沃(ヨク)=水を注ぎ潤す」「澳(オウ)=水のくぼみに水が満ちる」を挙げ、語根を*·ŏk(水が深く溜まり潤す)と再構し、ただ濡らすのではなく深くしみ込み満たす語感を持つとする。『詩経』邶風「北風」に「惠して我れに好し、攜手して同に行かん。其れ虚なること其れ邪なる、既に亟して只渥かなり」と見え、心情が深く厚いことを表す。漢代以降は「渥恩」「優渥」など君主の厚い恩寵を示す常套句となった。日本では人名漢字(人名用漢字)に採用され、男性名「渥美」「渥司」、女性名でも「渥子」など、情愛深く包容力豊かで、人を温かく潤す人格を願う命名に用いられてきた。豊かな情感と深い徳性を象徴する佳字とされる。
構成要素
氵(水)+屋(覆い行き届く)
STROKE ORDER
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MEANINGS
うるおう、ぬれそぼつ
あつい、うるおう、深い情愛、恩沢が厚い
★情愛深く人を潤す豊かで温かな徳
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。