◆ 元の意味(古代)
田畑を区画する人工の水路、灌漑の溝。
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KANJI ETYMOLOGY
kou
画数
13画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
田畑を区画し水を導く人工水路の象。秩序を整え恵みを配る、土木の知恵の字。
ORIGIN
「溝」は形声兼会意文字である。『説文解字』水部に「溝、水瀆、廣四尺、深四尺也。从水、冓聲」とあり、幅四尺・深さ四尺の人工水路、すなわち田畑を区画して水を流す灌漑用の溝を本義とする。音符「冓(コウ)」は、木材や竹を縦横に組み合わせて構築する象形で、「組む」「井桁状に交差させる」の語感を持つ。これに「氵」を加えて、水が井桁状に張り巡らされた水路を流れるさまを示す。白川静『字統』では、冓を「上下対称に組み合わさった構造物」と解し、溝を「人為的に大地を切り分け水を秩序立てて運ぶ施設」と説明する。藤堂明保『漢字源』も、溝は「コウコウと縦に切り込まれた水路」であり、田畝の境界を画する役を担うとする。古代中国の周代には「井田法」と呼ばれる土地制度があり、田を九等分してその境に溝を掘り、水利と境界を一挙に定めた。溝はまさに文明と農業の根幹をなす施設であり、為政者の徳を測る尺度ともされた。後に「人と人との間の隔たり」「溝渠」の比喩義へと拡張し、現代では「意思の溝」など心理的距離の語にも用いられる。日本では条里制の遺構に溝が残り、「水を分かち恵みを配る」公共の徳を象徴する。名乗りでは稀字だが、秩序を重んじ周囲を整える聡明さを表す字となる。
構成要素
氵(水)+冓(井桁状に組む)
STROKE ORDER
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MEANINGS
田畑を区画する人工の水路、灌漑の溝。
溝、水路、どぶ、隔たり。整然と配された通路。
★秩序を整え恵みを配り、周囲との調和を導く整理力の象徴。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。