◆ 元の意味(古代)
糸で織りなされた綾文様。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
mon
画数
10画
成り立ち
形声
部首
いと
分類
常用漢字
糸に織りなす綾、文様と家紋の雅なる字。
ORIGIN
紋は「糸」を意符、「文」を声符とする形声文字である。許慎『説文解字』には「紋」の独立項は乏しく、本来「文」が織物の綾文様を指す字として用いられた。文は「人の胸に施された文身(入れ墨)」の象形で、「あや・かざり・もよう」を本義とする。後に織物・染色の発達に伴い、糸偏を加えた「紋」が分化し、糸に織り込まれた模様、布帛の文様を専一に指すようになった。白川静『字統』は、文と紋を本来同一の意とし、繊維工芸の発展と共に「紋」が織模様の専用字として独立したと説く。藤堂明保『漢字源』は「モン」の音を「文・蚊・聞」と関連づけ、「細やかに分かれて見える」共通義を持つ語族とし、紋は「糸の織り目に細やかに浮かび出る模様」と解する。日本では家紋・紋章・波紋・指紋など、固有の印として広く用いられ、特に家紋は氏族の誇りと格式を象徴する文化として発達した。紋は、糸の繊細な交差から立ち上がる秩序ある美の結晶であり、品格と由緒、繊細な美意識を体現する雅びな字である。
構成要素
糸+文
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
糸で織りなされた綾文様。
もよう。あや。家紋。紋章。
★端正な美と由緒。品格ある美意識を映す字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。