◆ 元の意味(古代)
進路を反転して後ろへ引く、退く。
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KANJI ETYMOLOGY
tai
画数
9画
成り立ち
会意
部首
しんにょう
分類
常用漢字
進むのをやめ、後ろへ身を引き下がるさまを表す字。
ORIGIN
「退」は辵(しんにょう)と艮(こん)から構成される会意文字である。艮は目を後ろに向ける人の形に基づき、止まり振り返る意を含む。許慎の『説文解字』辵部には「退は卻なり。辵に従ひ艮に従ふ」とあり、進行を止め後方へ退く所作を示す本義とする。白川静の『字統』では、艮の「目を背後に転ずる」象りと辵の歩行とが結合し、進路を反転して身を引き下がる動作を表すと説く。すなわち単なる後退ではなく、礼儀をわきまえて場を退く、職を辞す、争いを避けて引くといった、節度ある身の処し方の含意を強く持つ。藤堂明保の『漢字源』では、退を「しりぞく、ひく、おとろえる」と解し、進と対をなして君子の進退の徳目を構成すると述べる。古典では『易経』『論語』『礼記』に「進退」「退譲」「急流勇退」と頻見し、進むべき時に進み退くべき時に退く中庸の智を象徴する字として尊ばれた。日本でも「進退」「退陣」「退却」など、節度や引き際の美学を伴う語感を持つが、衰退・退歩の連想もあり、命名には一般に用いられない。
構成要素
辵(行く)+艮(後ろを向く)
STROKE ORDER
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MEANINGS
進路を反転して後ろへ引く、退く。
しりぞく、退却、進退、引退。
★命名忌避:退却・衰退の含意で人名には用いない。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。