◆ 元の意味(古代)
山道の険阻、阻難
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
ken
画数
16画
成り立ち
形声
部首
こざとへん
分類
—
峻嶮の威。
ORIGIN
『説文解字』巻十四に「險、阻難也、从𨸏僉聲」とあり、許慎は阜(阝)を意符、僉(セン/ケン)を声符とする形声字として「阻みて難きこと」と訓じた。阜は土山の段重なる象形で、山勢の高峻を示し、僉は多くの人や物が集まる意で、ここでは険阻な岩石が層をなすさまを暗示する。白川静『字統』は、險を「神聖な山岳に近づくを禁ずる呪的境域」と解し、古代祭祀における禁忌の地を表す字とみる。藤堂明保『漢字源』はケン系語族として「儉・檢・劍」と同源とし、いずれも「狭く引き締まる」「険しく鋭い」核義を共有すると論じた。本義は「山道のけわしさ」、転じて「あぶない」「困難」「邪悪」へと意味が広がる。常用漢字「険」の旧字体であり、現代の人名用漢字には含まれない。命名上は険阻の負義ゆえ忌避されることが多いが、不撓不屈の意を込め用いる例もある。
構成要素
阝(阜)+僉(声符)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
山道の険阻、阻難
けわしい、危険、困難
★困難を恐れず険路を踏破する強靭な意志を象徴する字(用例は稀少)。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。