◆ 元の意味(古代)
古代日本の一人称・男性名末字「まろ」。
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KANJI ETYMOLOGY
maro
画数
18画
成り立ち
会意
部首
あさ
分類
人名用漢字
古雅な自称・人名。
ORIGIN
麿は日本で作られた国字(和製漢字)で、『説文解字』には収録されない。構成は「麻」と「呂」の上下会意で、上代日本語の一人称代名詞「麻呂(まろ)」を一字に縮約した文字である。『万葉集』『古事記』『日本書紀』には「柿本人麻呂」「大伴家持の自称・麻呂」など、男性貴族・官人の名や自称として「麻呂」が頻出し、奈良時代以降、二字を一字に合わせた「麿」が考案された。平安期には『源氏物語』『枕草子』にも幼名・愛称として「○○麿」が登場し、特に貴族男児の名末字として定着した。白川静『字統』は麿を「国字の代表例」とし、漢字の二字熟語を一字に圧縮する日本独自の合成法を示す好例だと論じる。藤堂明保『漢字源』も同様に、麿は漢音体系には属さず訓のみで「まろ」と読まれる純粋日本字であると指摘する。「まろ」の語源には諸説あり、賀茂真淵は「真郎(まろう)」(真の若者)の約と説き、本居宣長は「圓(まろ)」(円満・全き)に通じるとした。中世以降は公家文化の象徴として、近世では国学的復古趣味の中で雅称として再評価された。命名における麿は「人麿」「家麿」「光麿」など、和風で典雅な男児名に用いられ、現代でも古典的趣のある名として人気がある。
構成要素
麻+呂の会意による国字。
STROKE ORDER
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MEANINGS
古代日本の一人称・男性名末字「まろ」。
「まろ」、古風で雅な人名用字。
★日本古来の雅やかさを宿し、伝統に根ざした人へ。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。