「占い師は儲かるのか」という素朴な疑問に答えるには、史実ベースの数字を見るのが早道です。1947年から2005年まで運用されていた国税庁の『高額納税者公示制度』(通称・長者番付)は、年間納税額1,000万円超の個人を税務署が公示する制度で、占い師も少数ながら名前が掲載されました。本記事では、公示制度の記録および出版部数・推定収入のメディア報道をもとに、戦後日本の占い師の経済的影響力を歴代TOP20相当として整理します。数字は推定を含むこと、2005年以降は公示が廃止されているため近年のデータは出版・テレビ報道ベースである点をあらかじめ明示しておきます。
高額納税者公示制度とは ── 1947〜2005年
高額納税者公示制度は、所得税法(旧238条)に基づき、年間所得税額が1,000万円超の個人を、各所轄税務署が公示する制度でした。1947年(昭和22年)に開始され、2004年分(2005年5月公表)を最後に2005年に廃止されています。廃止理由は、個人情報保護法施行(2005年)と、公示が振り込め詐欺・営業勧誘の名簿として悪用される懸念が高まったためです。
占い師は「個人事業主」または「文筆業」として申告するのが一般的で、公示の対象になるのは出版印税・テレビ出演料・鑑定料を合算した結果、所得税1,000万円(おおむね所得3,500万円超)の壁を越えた人物です。週刊誌は毎年5月に長者番付を特集し、占い師欄も恒例ページとなっていました。
2005年廃止後は公的な所得開示はなくなり、占い師の年収は出版印税(実売部数×印税率)や報道ベースの推定値で語られるようになりました。
- 制度開始1947年(昭和22年)。所得税法旧238条等。
- 公示対象年間所得税1,000万円超(おおむね所得3,500万円超)。
- 週刊誌特集毎年5月、長者番付として職業別ランキングが掲載。
- 廃止2005年。個人情報保護・名簿悪用の懸念から。
- 廃止後出版印税・報道ベースの推定値で語られる。
細木数子 ── 推定累計1億部の出版王者
戦後日本の占い師経済の頂点に立つのが細木数子(1938-2021)です。1984年の『運命を開く六星占術』以降、関連書籍は累計1億部超とされ、印税収入だけで数十億円規模に達したと報じられました。1990年代から2000年代の長者番付では、占い師カテゴリで連続トップとされました。
テレビでは『ズバリ言うわよ!』(フジ・2003-2007)など複数のレギュラーを抱え、出演料・出版印税・鑑定料の三位一体で年商10億円規模との報道もありました。後年は『株式会社六占星術』など複数の関連会社を運営し、企業占い師としての側面も強めました。
細木数子の経済規模は、戦後日本の占い師としては群を抜いており、これに匹敵する人物は出ていないとみるのが自然です。
- 1984『運命を開く六星占術』。シリーズ累計1億部超。
- 印税規模数十億円規模と複数の週刊誌が報道。
- テレビ『ズバリ言うわよ!』など複数レギュラー。
- 事業体株式会社六占星術ほか関連会社で企業化。
- 総合戦後占い師経済の単独トップ。後継者なし。
TOP20相当 ── 江原啓之・木村藤子・ゲッターズ飯田・鏡リュウジら
細木数子の次グループとして名が挙がるのが、江原啓之(1964-)です。『オーラの泉』(テレビ朝日・2005-2009)と関連書籍で平成のスピリチュアル・ブームを牽引し、累計部数1,000万部超とされます。長者番付の終盤期(2003-2004年分)の文化人カテゴリで上位に名が見られたと報道されています。
木村藤子(1944-)は青森のスピリチュアルカウンセラーとして、TBS系の番組出演と著作で安定した収入を確保しました。ゲッターズ飯田(1975-)は2010年代後半から活動を本格化し、『五星三心占い』シリーズで累計900万部超(2024年時点・公称)と発表されています。
鏡リュウジ(1968-)は西洋占星術の翻訳・著作で知られ、雑誌・テレビ・書籍の三本柱で長期的に安定した経済規模を維持しています。水晶玉子・李家幽竹・島田秀平らも上位に並びます。
- 江原啓之1964-。スピリチュアル系。累計1,000万部超。
- 木村藤子1944-。TBS系番組と著作で安定収入。
- ゲッターズ飯田1975-。五星三心占い累計900万部超(公称)。
- 鏡リュウジ1968-。西洋占星術。雑誌・テレビ・書籍の三本柱。
- 他水晶玉子・李家幽竹・島田秀平・松村潔ら。
経済的影響力の構造 ── 出版・テレビ・鑑定料の三本柱
占い師の収入は、おおよそ三本柱に分解できます。第一が出版印税(実売部数×印税率8〜12%)、第二がテレビ・ラジオ出演料、第三が個人鑑定料(高額占い師で1時間1〜10万円台)。これに加えて、近年はYouTube収益・オンラインサロン会費が新しい柱として加わっています。
細木数子型の「テレビ+出版」モデルが衰退した代わりに、ゲッターズ飯田・鏡リュウジ型の「YouTube+オンライン会員」モデルが台頭してきました。後者はテレビ視聴率に左右されにくく、長期的に安定した売上が見込める構造です。
経済的影響力という意味では、テレビ全盛期の数十億円規模から、令和の数億円規模へとスケールダウンしているのが実態です。ただし、参入障壁が下がった分、中堅・若手が複数並立する構造が形成されています。
- 三本柱出版印税・テレビ出演料・個人鑑定料。
- 新柱YouTube収益・オンラインサロン・配信課金。
- 細木モデルテレビ+出版の単一カリスマ型。衰退傾向。
- ゲッターズモデルYouTube+会員制で安定収入。台頭中。
- 全体規模テレビ全盛の数十億円から、令和は数億円規模へ。
数字を扱うときの注意点
ここまで紹介した数字は、1) 高額納税者公示制度(〜2005年)の公的記録、2) 出版社発表の累計部数(公称)、3) 週刊誌・新聞報道の推定値、を組み合わせたものです。占い師の確定申告データは公示制度廃止後は非公開であり、近年の数字は推定の域を出ません。
また、占い師の経済的成功と「占いの的中度」「占術の正しさ」とは無関係です。経済規模は、出版・メディアの仕組みに乗れたかどうかで決まる側面が大きく、占いの真偽とは別の議論である点を本サイトとして明示しておきます。
本ランキングは、戦後日本のサブカルチャー史・メディア史としての参考資料であり、占い師選びの指標として使うものではありません。
故 細木数子氏 (1938-2021) は、戦後日本の占術界に大きな影響を残した人物です。当サイト編集部は、業績への敬意と批判的視点の両方を持ちながら、史実に基づく人物像を伝えることを目指しています。本記事の情報は公開資料・各種報道・本人著作を基にしており、推測に基づく断定は避けています。

全世界の姓名判断や鑑定、占いを統合し、その英知を42年間学び続けた占い師。伝統的な熊崎式姓名判断に中国・韓国・台湾など東アジアの命名哲学、さらには西洋の数秘術までを横断的に研究。姓名判断大全の全記事を監修し、赤ちゃんの命名から改名・社名決定まで、実務的な指針の提供を使命としている。
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- 字源データベース収録字数3,016 字出典: kanji-database
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