◆ 元の意味(古代)
桐や土で作った人形。対をなすもの。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
guu
画数
11画
成り立ち
形声
部首
亻(にんべん)
分類
常用漢字
「偶」は人形(ひとがた)を表す形声文字。本来は祭祀に用いる土偶・木偶の意で、転じて「対」「たまたま」の義を担う。
ORIGIN
『説文解字』人部に「偶は桐人なり。人に従ひ禺の聲」と見え、桐の木で作った人形を本義とする。禺(グウ)は、白川静『字統』によれば、頭部の大きい獣形(一説に猿)を象り、人に似たものを意味する。これに「亻」を加え、人に似せて作った人形=偶人を表す。藤堂明保『漢字源』は禺の音符「対をなす」から、人形が対で配されることに着目し「対・つれあい」の義、さらに「ふと出会う・たまたま」の偶然の意へと展開したと説く。『大漢和辞典』は『戦国策』斉策「土偶人」、『楚辞』九歌「靈偶」、『荀子』儒效「偶然」を引き、古代祭祀の人形から偶然・配偶へと意味の幅が広がったと記す。落合淳思は、戦国期の墓に夥しい木偶・土偶が副葬されたことを考古学的事実として挙げ、副葬人形の名を借りて「対をなす二者」、さらに「思いがけぬ巡り合わせ」の語源となったと考察する。日本でも「配偶者・偶然・偶発」の語で日常に深く根付く。
構成要素
亻(人) + 禺(獣形・対をなす)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
桐や土で作った人形。対をなすもの。
たま。たまたま。つれあい。配偶者。
良き伴侶、良き対をなす相手と出会う巡り合わせを願う字。人生の大切な「偶然」の出会いに恵まれ、人と対をなして支え合える幸せな縁を結べる人になってほしいとの想い。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。