◆ 元の意味(古代)
切り立った高い岩壁、神聖な巨岩。
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KANJI ETYMOLOGY
gan
画数
23画
成り立ち
形声
部首
山(やま)
分類
人名用漢字
「巌」の正字。神聖で重厚な巨岩を映す、最も格調高い字体。
ORIGIN
「巖」は「山」と音符「嚴(ゲン・ガン)」から成る形声字で、康熙字典の正字体である。『説文解字』山部に「巖は岸なり、山に従ひ嚴聲」とあり、切り立った高い岩壁・断崖を本義とする。音符「嚴」は「吅(口二つ=祈祷の言)」と「厰(がんだれ+敢)」から成り、神に祈る言葉を厳粛に発し、敢然と任じる意を示す。これに「山」を加えた「巖」は、神聖にして近寄りがたい威容ある巨岩を表現する。白川静『字統』は、嚴を呪詛・祈祷の厳粛さを示す字とし、巖を「神霊の宿る厳めしい大岩」と解する。古代中国では巨岩は天地の精・神霊の依代とされ、巖は祭祀の対象でもあった。藤堂明保『漢字源』は、嚴のカン音が「ぎざぎざと角ばる」語感を持つとし、巖を「ごつごつ角ばった大岩、断崖絶壁」と説明する。古典では『詩経』『楚辞』『山海経』に巖の字が散見し、神仙が住む岩窟(巖洞)、隠者が籠もる巖穴は道家・仙術の聖地を象徴した。陶淵明・謝霊運ら山水詩人も巖を好んで詠み、自然の厳粛美を表す字として確立した。日本では宮島の厳島(巖島)神社が海中の巨岩信仰と結びつき、また厳父・厳君など父の尊称にも嚴の字が用いられる。「巖」字は「巌」の略体に対し、より重厚で格調ある字体として近世まで人名・寺号・社号に多用された。名に用いる際は、不動の意志、神聖な品格、揺るぎない芯の強さ、伝統を背負う重厚さを表す。古典的な威厳を宿す最高格の字である。
構成要素
山(意符)+嚴(音符・おごそか)
STROKE ORDER
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MEANINGS
切り立った高い岩壁、神聖な巨岩。
いわお、堅固で揺るがないもの、おごそかなもの。
神聖な品格、不動の意志、伝統的威厳を示す。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。