◆ 元の意味(古代)
玉や木に文様を刻む。琢して飾る。
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KANJI ETYMOLOGY
chou
画数
11画
成り立ち
形声
部首
彡(さんづくり)
分類
常用漢字
刃を入れて美を顕す字。彫刻・彫琢の核となる工芸の漢字。
ORIGIN
『説文解字』に「彫は琢文なり。彡に从ひ周聲なり」とある。彡は毛筋・文様・光彩を示す象形の部首で、刀刃や筆で刻まれた線条の美しさを表す記号として古代から用いられた。音符の「周」は「あまねく行きわたる」「びっしり詰まる」の意を含み、藤堂明保『漢字源』は「周」を細かい目が密に並ぶさまの会意とみなす。両者を合わせ、隅々まで丁寧に文様を刻みつける工芸の所作を示すのが「彫」である。白川静『字統』は、古代中国において玉や青銅器・木材に文様を施す行為が祭祀的・呪術的意味を帯びていたと指摘し、彫琢が単なる装飾ではなく「ものに神威を宿らせる行為」であったと説く。『詩経』にも「琢を彫すること圭の如し」と君子の修養を玉の彫琢に喩える句があり、自己研鑽の比喩としても古くから用いられた。日本では仏像彫刻・木彫・印章彫など、精緻な手仕事の文化と結びついて尊重され、彫心鏤骨の語に見るように、心血を注いで物事を仕上げる粘り強さの象徴となっている。名づけにおいては芸術的感性、職人気質、丹念に磨き上げる人間性を願う字として愛好される。
構成要素
周(あまねく行き渡る)+彡(文様・線条)。
STROKE ORDER
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MEANINGS
玉や木に文様を刻む。琢して飾る。
ほる。きざむ。彫刻。彫琢。
美を刻み出す芸術性。粘り強い研鑽の人。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。