◆ 元の意味(古代)
本義は人の心臓そのもの、すなわち胸中にある拍動する臓器を指した。同時に、古代中国の身体観において心臓は思考・感情・意志の宿る場所とされたため、字の最初期から物理的な臓器の意と精神の働きの意が一体化して用いられた。
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KANJI ETYMOLOGY
Shin
画数
4画
成り立ち
象形
部首
心部
分類
常用漢字
「心」は人の心臓の形を象った象形字で、古代中国では心臓が思考と感情の座と考えられた。あらゆる精神活動を象徴する根本字で、思いやり・誠実・本心を表す。
ORIGIN
「心」は甲骨文字の段階から見られる極めて古い象形字で、人または動物の心臓を直接かたどった字である。古代字形では、心臓の輪郭・心房・心室を簡略に描いた形が確認でき、左右に張り出す部分は心房、中央の点は心臓の中の血や弁を表すと解される。許慎『説文解字』には「人の心、土蔵なり、身の中に在り、象形」とあり、五行説で土に配される人の臓腑=心臓を指し、その形をそのまま字にしたと説く。古代中国では脳の働きが認識されておらず、思考・感情・意志はすべて心臓に宿ると考えられたため、「心」は単なる臓器名にとどまらず、精神活動全般を象徴する最重要語となった。金文・篆文を経て隷書・楷書では曲線が整えられ、現在の四画の字形に固定された。「心部」「忄(りっしんべん)」「⺗(したごころ)」として多くの感情・思考に関する漢字の意符となり、感情・知性・道徳の根幹を担う字となった。
構成要素
「心」一字で完結する独立した象形字。中央のくぼみは心臓の中央部、両側の張り出しは心房、上の点は弁または血のしたたりを象ると解される。偏旁としては「忄(りっしんべん)」「⺗(したごころ)」と変形して感情・思考に関わる字の意符となる。
STROKE ORDER
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MEANINGS
本義は人の心臓そのもの、すなわち胸中にある拍動する臓器を指した。同時に、古代中国の身体観において心臓は思考・感情・意志の宿る場所とされたため、字の最初期から物理的な臓器の意と精神の働きの意が一体化して用いられた。
現代では物理的な心臓の意は薄れ、もっぱら精神・感情・意志・思いやり・本心など、内面の働き全般を指す語として用いられる。「心情」「真心」「心配」「中心」など多彩な熟語を生み、人間性の核を表す最も基本的な漢字の一つとして言語生活に深く根付いている。
思いやりに満ちた優しい心、誠実でぶれない芯をもった人に育ってほしいという願いを込めて用いられる。一字で深い意味を担う数少ない字であり、「心愛」「心春」「心晴」「心結」など組み合わせも豊富で、女児名を中心に近年圧倒的人気を誇る伝統的吉字である。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。