◆ 元の意味(古代)
手で取り去る、片づける、引き下げる
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KANJI ETYMOLOGY
tetsu
画数
15画
成り立ち
会意兼形声
部首
扌(てへん)
分類
常用漢字
手で取り去り、引き戻す。退くことで次を生む潔さを示す字。
ORIGIN
『説文解字』には収められないが、徹(とおる・取り除く)から派生した字とされる。徹は「彳(行)+鬲(食器)+攴(攴つ)」の会意で、食事を終え食器を片づけ通すことを本義とし、転じて「貫き通す」「取り除く」の二義を兼ねた。後にこのうち「取り除く・引き下げる」の義を専ら表す字として、扌を加えた撤の字が分化した。すなわち会意兼形声で、意符「扌(手)」と声符兼意符の「徹」から成る。藤堂明保『漢字源』は、撤の核心義を「TETSU=引き抜く・取り除く」と捉え、徹の通り抜ける義と通底するとする。白川静『字統』は、もと祭祀後の供物を片づけ撤回する儀礼語であったとし、撤饌(てっせん)・撤幣などの宗教用語にその古義が残るとする。古典では『儀礼』『礼記』に「撤俎」「撤豆」など祭礼後の片づけの語が見え、『左伝』には「撤兵」(軍を退く)の用例がある。現代日本語でも「撤退」「撤回」「撤収」「撤去」など、進めたものを潔く引き戻す意で広く用いられる。撤の字は、ただ放棄するのではなく、状況を見極めて引くべき時に引く知恵、その後に新しい局面を開く柔軟さを宿す。執着を離れ、次の一手のために空間を整える成熟した判断力を象徴する。
構成要素
扌(手)+徹(声符・取り除く)
STROKE ORDER
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MEANINGS
手で取り去る、片づける、引き下げる
とりさる、ひく、撤回する
状況を見極め、執着を離れて次を生み出す潔さと柔軟な知恵。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。