◆ 元の意味(古代)
両手で水を注ぎ身を清める、天地が安らかに通じる
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KANJI ETYMOLOGY
tai
画数
10画
成り立ち
会意
部首
氺(したみず)
分類
常用漢字
両手に清らかな水を捧げ、天地を安んずる大いなる平安を祈る字
ORIGIN
『説文解字』水部に「泰は滑(なめら)かなり」と記され、許慎は本字を、水が淀みなくゆったりと流れる、悠然たる様態とした。字形は古く「夳」とも書き、上部「大」、中部「廾(両手)」、下部「水」からなる会意字である。すなわち、両手に水を捧げ、ゆったりと流す姿を象り、天地神明に清水を献ずる古代の禊(みそぎ)儀礼を字源とする説が有力である。白川静『字統』は、本字を「大」と「両手」と「水」の組み合わせと解し、両手で水を澆(そそ)ぎかけて身を清める滌祓(てきふつ)の儀を字源とする。これにより穢れを除き、心身を泰然たらしめる宗教的安寧が「泰」の本義となる。藤堂明保『漢字源』は、「大」と「太」「泰」を同系語とし、共通義を「ゆったりと大きく広がる」とまとめる。すなわち「泰」は、空間的にも精神的にも広やかで余裕のある状態を意味する。古代中国では五岳の筆頭・東岳「泰山」を最も神聖な山とし、皇帝が即位後に天地を祭る封禅の儀をここで執り行った。「泰」はそのまま天下安寧・国家泰平の象徴語となり、『易経』には六十四卦の十一番目に「泰卦」が置かれ、天地交わり万物通ずる至福の卦象とされた。日本でも「泰平」「安泰」の語は時代を超えて用いられ、人名の「泰」は両親が子に願う最高の祈り、すなわち平安・大成・泰然たる人生の象徴として広く愛されてきた。
構成要素
大(両手を広げた人)+廾(両手)+水(清水) ※水を捧げ清める形
STROKE ORDER
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MEANINGS
両手で水を注ぎ身を清める、天地が安らかに通じる
やすらか、おおきい、ゆったりとして動じない、平和
★泰然自若とした大器、揺るぎない平安、天下を安んずるほどの度量
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。