◆ 元の意味(古代)
楚の滄浪水(河川名)、のち大波
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KANJI ETYMOLOGY
rou
画数
10画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
古代の河川名から転じて「大きな波」を表す字
ORIGIN
『説文解字』水部に「浪は滄浪水なり。水に従い良声」とあり、本来は楚の地を流れる漢水の下流「滄浪水」の固有名詞として収録された。形声の構造は意符「氵(水)」と声符「良(リョウ・ロウ)」からなる。声符「良」は穀物を選別する漏斗状の器を象る象形で、本義は「よりすぐる・善し」であるが、ここでは音を担う声符として用いられる。白川静『字統』は、滄浪水の名が『書経』『楚辞』に頻出し、漁父が「滄浪の水清まば以て吾が纓を濯うべし」と歌った故事から、清濁を象徴する文化的水脈であったことを指摘する。藤堂明保『漢字源』は、声符「良」の核義を「ゆらゆら揺れる」とし、浪を「水がゆらゆらと揺れ動く→大波」と解し、固有名詞から普通名詞への意味発展を音義の両面から説明する。後世、「浪」は固有の河川名を離れて、海や湖の大きな波・うねりを表す普通名詞として定着し、「波浪」「狂浪」「怒浪」など海洋語彙の中核となった。さらに、波が定まらず漂うイメージから「さすらう」「あてもなく行く」の意が派生し、「浮浪」「流浪」「放浪」「浪人」「浪費」など、定住・節度を欠く生き方や行動を表す語群を生んだ。日本では中世以降、武士の身分を離れた者を「浪人」と称し、近世には経済語として「浪費」が定着するなど、文化史的にも重要な漢字である。人名としては「波濤を越えゆくスケールの大きさ」「自由闊達に世を渡る人」を象徴する。
構成要素
氵(水)+良(声符、ゆらゆら揺れる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
楚の滄浪水(河川名)、のち大波
なみ、波濤、さすらう、みだりに
★波濤を越えてゆく雄大な気概と、自由な精神
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。