◆ 元の意味(古代)
水面を軽く浮かんで流れること、また布を水でさらして白くすること
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
hyou
画数
14画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
水と票から成り、水面を軽く浮き漂う様、また水で布をさらして白くする意を表す
ORIGIN
『説文解字』水部に「漂は浮なり。水に従ひ票聲」とあり、許慎は水に浮かぶ意を本義とする。段玉裁注は「浮きて行くを漂と謂ふ。風に随ひ波に随ふなり」と補い、定まらず流れ漂う様を強調した。白川静『字統』は、票は火が高く立ちのぼる象を含み、軽く高く浮き上がる意を声符に託したと説く。すなわち票には「軽く高く飛揚する」イメージがあり、漂は「水中の物が軽く浮き上がって流れる」意となるとする。藤堂明保『漢字源』は、票の声系(標・飄・剽)には「軽くひるがえる」「ぴらぴらと舞う」共通義があり、漂は「水面でひらひら浮き流れる」現象を表すと分析する。古典では『詩経』周南に「漂有梅」と梅の実が水に流れる様が詠まれ、『史記』淮陰侯列伝には韓信が漂母(布をさらす老婆)に飯を恵まれた故事が伝わる。ここでの漂は「布を水でさらして白くする」古義であり、洗濯・漂白の語の起源となった。日本では「漂泊」「漂流」の語で、定まらぬ旅人の象徴として詩歌に多く詠まれる。名前用字としては、軽やかさ、自由な気風、清らかに澄ませる意を込めて稀に用いられる
構成要素
氵(水)+票(ヒョウ・軽く高く浮き上がる)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
水面を軽く浮かんで流れること、また布を水でさらして白くすること
ただよう、漂う、漂流、漂白
軽やかさ、自由な精神、清らかに澄む
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。