◆ 元の意味(古代)
水の深く湛えられた所、ふち。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
en
画数
12画
成り立ち
形声
部首
氵(さんずい)
分類
常用漢字
両岸に挟まれ水を深く湛える淵、知恵と徳の集積する場所。
ORIGIN
「淵」は氵(水)と「𣶒(えん)」を組み合わせた形声文字である。許慎『說文解字』水部に「淵は回水なり、水に从ひ象形、左右岸なり、中は水の貌」とあり、両岸の間に水が渦を巻いて深く湛えられる場所、すなわち「ふち」を意味する。本字は水の渦巻く象形を含み、岸に挟まれて流れの停滞する深淵の景を視覚的に表す。白川静『字統』は「淵」の旁を、両側に堤があり中央に水が淀む象形と捉え、ここから「深く広く湛える」の意が生じたと説く。藤堂明保『漢字源』は「𣶒」の音「エン」が「奥深く広がる」語族と通じ、底知れぬ深さを示すと述べる。『詩経』小雅に「魚は藻に在り、淵に潜む」、『論語』子罕篇に「君子は深淵に臨むが如く、薄氷を履むが如し」とあり、慎重さや畏れの象徴として尊ばれた。また「淵源」「学識淵博」のように、知識・徳・才能の集積する深い源を表す比喩として用いられる。日本でも陶淵明など漢籍の教養とともに親しまれ、「淵」の字は深遠な学識、人格の奥行き、揺るぎない徳を象徴する。名づけでは知性と品格を兼ね備えた、深く落ち着いた人柄を願う字として古来愛用されてきた。
構成要素
氵(水)+𣶒(音符・両岸に水を湛える象)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
水の深く湛えられた所、ふち。
ふち、深い淵。物事の深遠な源、集積する場所。
★深い知性と揺るぎない品格。人格の奥行きと徳の集積を願う。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。