◆ 元の意味(古代)
舞踏の象形、転じて「ない」。
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KANJI ETYMOLOGY
mu
画数
12画
成り立ち
象形
部首
れんが
分類
常用漢字
舞う巫女の姿に発し、転じて「ない」を意味するに至った字。
ORIGIN
「無」は本来、舞踏の象形に起源を持つ字である。許慎の『説文解字』では「無、亡也。从亡、無聲」と記され、亡(うしなう)を意符、無を声符とする形声字として説かれているが、これは後世の解釈であって、甲骨文・金文の字形を遡れば、人が両手に飾りや尾羽のような舞具を持って舞う姿を象った象形文字であることが明らかである。白川静の『字統』では、この点を詳細に論じ、「無」は本来「舞」と同字源であり、雨乞いや祭祀の場で巫女が舞う姿を写したものであるとする。やがて「無」は仮借(音を借りた用法)によって「ない」「なし」を意味する否定辞として用いられるようになり、本来の舞いの意は別字「舞」を新造して担わせることになった。藤堂明保の『漢字源』もこの説を支持し、「無」字の下部の「灬」は元来火ではなく、舞人の足元の飾り紐や房を象ったものに由来すると指摘する。意味としては仏教思想の影響により、「無」は単なる否定にとどまらず、「色即是空」に通ずる存在の深奥を示す哲学的概念へと昇華した。日本でも禅の境地として「無」は最高度の精神性を象徴し、「無心」「無我」「無為」など多くの語を生んだ。命名では、執着を超えた澄明な心境を願う字として用いられる。
構成要素
舞踏する人の象形
STROKE ORDER
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MEANINGS
舞踏の象形、転じて「ない」。
ない、なし、否定。
★執着を超えた澄明さ、何ものにも縛られぬ自由な心を願う字。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。