◆ 元の意味(古代)
食物に火が十分に通る。煮えて柔らかくなる。
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KANJI ETYMOLOGY
juku
画数
15画
成り立ち
形声
部首
れっか
分類
常用漢字
火を加えて十分に熟させ、円熟に至る字。
ORIGIN
『説文解字』には「孰」を本字とし「食飪也。从丮、𦎫聲」と説き、後世「熟」は孰に火(灬)を加えた俗字・後出字として成立したと解される。すなわち本義は「食物を煮て十分に火を通す」ことにある。白川静『字統』は、声符「孰」を、廟(享)の前で犠牲を捧げ持つ形と見、神への供物を完全に煮熟することを意味する祭祀的な字源を持つと述べる。供物が十分に熟れていることが祭礼の整いの徴であり、そこから「ものごとが十分に出来上がる」「機が熟す」「考えが円熟する」へと意味が広がった。藤堂明保『漢字源』は、語源核を「TIUK/煮詰めて柔らかくする、十分に行きわたる」に置き、「熱」「孰」と同系であるとし、未熟に対する成熟、熟練、熟慮など、人間の精神活動の深まりにも比喩的に用いられると解説する。『論語』『孟子』にも「熟思」「熟察」の語が見え、思考の徹底を意味する。日本でも「熟成」「成熟」「熟慮断行」など、年月をかけて深まる価値を表す高雅な字として尊ばれる。
構成要素
孰+火(灬)
STROKE ORDER
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MEANINGS
食物に火が十分に通る。煮えて柔らかくなる。
うれる、十分にできる、なれる、つくづくと。
★名乗り例は少なく、円熟・成熟の比喩で用いる。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。