◆ 元の意味(古代)
民衆に広く流行する悪性の病。疫病。
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KANJI ETYMOLOGY
eki
画数
9画
成り立ち
形声
部首
やまいだれ
分類
常用漢字
流行する悪性の病、はやりやまいを意味する忌避字。
ORIGIN
「疫」は、病気を表す意符「疒(やまいだれ)」と、音符「役(エキ)」の省略形を組み合わせた形声文字である。許慎『説文解字』疒部には「疫、民皆疾也(えきは、たみみなやむなり)」と記され、民衆が一斉に罹患する流行病を指す字と解されている。白川静『字統』においては、「役」が本来は辺境の守りに駆り出される労役・兵役の意を持つことから、「疫」は鬼神が人を駆り立てるごとく次々と病に倒す疫鬼の災いとして捉えられたと説く。古代中国では疫病は鬼神の所行とされ、儺(な)の儀礼によって疫鬼を祓う風習が存在した。藤堂明保『漢字源』は、「役」の原義に「働かせる・追い使う」の意があるとし、「疫」を「人々を一斉に病床に追いやる悪性の流行病」と定義づけ、単発の病ではなく集団感染的性質を本義とすると注している。日本においても古来「えやみ」「えのやまい」と訓まれ、『日本書紀』には度々の疫癘記録が残る。本字は意味が極めて凶であるため、人名用漢字には含まれず、命名における使用は厳に避けられる文字である。
構成要素
疒+役(省)
STROKE ORDER
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MEANINGS
民衆に広く流行する悪性の病。疫病。
感染症、流行病、伝染病。
★命名忌避字。病災を連想させ、人名には用いない。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。