◆ 元の意味(古代)
矢による戦傷、急に襲う病
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KANJI ETYMOLOGY
shitsu
画数
10画
成り立ち
会意兼形声
部首
疒(やまいだれ)
分類
常用漢字
矢の如く疾く、また病をも意味する、速度と苦しみを併せ持つ一字。
ORIGIN
甲骨文では人の腋に矢が刺さる形を象り、戦傷を表す象形・会意字とされる。後に病床(疒)+矢の形に整理され、『説文解字』疒部に「疾は病なり。疒に従い矢声」と形声字として記される。藤堂明保『漢字源』は矢の象から「鋭く突き入る速さ」を読み取り、病が急に襲う意と矢のように速い意の両義が同源と説く。白川静『字統』も甲骨文の戦傷の象を重視し、本来は急性の戦傷・急病を指したとする。落合淳思はこの字形分析を発展させ、甲骨文の段階で既に「急」の意が派生していた可能性を論じる。『論語』陽貨篇の「疾風勁草を知る」、『孟子』の「疾如風」、『孫子』軍争篇の「其の疾きこと風の如く」は、いずれも疾の速度義の代表例。諸橋轍次『大漢和辞典』は病・速い・憎む・努める等の派生義を網羅する。古代中国では「疾」と「迅」はしばしば対句的に用いられ、迅雷疾風の語を生んだ。
構成要素
疒(意符:病床) + 矢(意符兼声符:鋭く速い)
STROKE ORDER
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MEANINGS
矢による戦傷、急に襲う病
速い、激しい、病、憎む
矢の如き俊足と決断力を備え、いかなる困難にも素早く立ち向かえる強さを持つようにとの願い。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。