◆ 元の意味(古代)
天然痘など丸い発疹をともなう疫病。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
tou
画数
12画
成り立ち
形声
部首
やまいだれ
分類
—
天然痘など発疹をともなう疫病を表す忌避字。
ORIGIN
「痘」は、意符「疒(やまいだれ)」と音符「豆(トウ)」を組み合わせた形声文字である。本字は古い時代の『説文解字』本篇には収録されておらず、後世の追加字とされる。許慎の体系に基づく後人の補注においても、「痘」は中古以後に発生した医学用語として位置づけられ、特に天然痘(疱瘡)など発疹性の伝染病を指す字として定着した。白川静『字統』では、「豆」が高坏(たかつき)の象形であり、丸く膨らんだ器の形を示すことから、皮膚に丸く隆起する発疹・水疱を「豆」の形に擬えて「痘」と称したと解説する。古代中国・日本においても天然痘は最も恐れられた疫病の一つで、もがさ・疱瘡・痘瘡と呼ばれ、命に関わる重病であった。藤堂明保『漢字源』は、「豆」に「丸く小さく膨らむ」の語感を見出し、「痘」を「皮膚に豆のように膨らんで現れる発疹性の病」と定義する。種痘(しゅとう)・水痘(すいとう)・痘瘡(とうそう)など、現代医学用語にも用いられるが、いずれも病名であり、本字は人名用漢字に採用されず、命名においては絶対に避けられる忌避字である。
構成要素
疒+豆
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
天然痘など丸い発疹をともなう疫病。
もがさ、痘瘡、発疹性の病。
★命名忌避字。重い疫病を示し、人名には用いない。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。