◆ 元の意味(古代)
腹中に物が滞る病。積聚。
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KANJI ETYMOLOGY
heki
画数
18画
成り立ち
形声
部首
やまいだれ
分類
常用漢字
身についた偏った習慣・嗜好を意味する字。
ORIGIN
「癖」は形声文字であり、意符の「疒(やまいだれ)」と音符の「辟(ヘキ)」から構成される。「疒」は寝台に病人が横たわる象形に由来し、病気・体調の異常を示す。「辟」は刀で人を裂き分ける意を含み、片寄る・偏るという音義をもつ。許慎『説文解字』疒部には「癖、食不消也、从疒辟聲」とあり、本来は食物が消化されずに腹中に滞る病、すなわち積聚を指した。白川静『字統』では、「辟」を「片寄る」の音義として捉え、身体の片側に偏って起こる病から転じて、心や行動の偏った傾向、すなわち「くせ」を意味するに至ったと解説する。藤堂明保『漢字源』もまた、「辟」のもつ「かたよる」という基本義に注目し、「癖」を「身体や心が一方にかたよって固定化したもの」と説明し、潔癖・酒癖・盗癖などの語例を挙げている。古代中国医学において癖は脇腹に生じる塊を指す病名であったが、日本語では病的意味が薄れ、「口癖」「寝癖」など中性的な習慣を指す語として定着した。命名においては病を含意するため、ほぼ用いられない忌避字である。
構成要素
疒(病)+辟(音符・かたよる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
腹中に物が滞る病。積聚。
偏った習慣。くせ。嗜好。
★命名忌避字。病と偏りの意を含むため人名には用いない。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。