◆ 元の意味(古代)
穂を垂らす粟(あわ)の実。
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KANJI ETYMOLOGY
zoku
画数
12画
成り立ち
象形
部首
こめ
分類
人名用漢字
穂を垂らす粟の実を象る古代主穀の字。
ORIGIN
『説文解字』卤部に「粟は嘉穀の實なり。卤に従ひ米に従ふ」とあり、嘉穀(あわ)の実を本義とする。許慎は卤(穂が垂れる形)と米(粒)から成る会意字として分析したが、より古くは穂と粒が一体となった象形字に近い。白川静『字統』では、甲骨文・金文では穂を垂らした粟の植物全体を象る純粋な象形であり、卤と米に分解されたのは小篆以降の整理に過ぎないと解する。古代中国の黄河流域における主食穀物は粟(あわ)であり、稲が南方で発達する以前から粟は北方文明の根幹を成し、租税・俸禄の基本単位として「粟米」「粟禄」と称された。藤堂明保『漢字源』では、卤を粟の穂が垂れる形と捉え、粒(米)を加えて穀粒としての粟を強調する会意構造とする。漢代の辞書類では「粟」を穀物全般の代表として扱い、「滄海一粟(蘇軾『前赤壁賦』)」のように、広大な世界における極微の存在を象徴する文学的比喩としても多用された。日本でも縄文末期から弥生にかけて稲作と並んで粟作が行われ、神饌・粢(しとぎ)の材料として神事に欠かせぬ穀物となった。人名用漢字に含まれ、命名では実り・蓄え・素朴な生命力を願う字として地名・苗字(粟田・粟野・大粟)に多く、現代名としては稀である。
構成要素
卤(垂れた穂)+米(粒)の会意
STROKE ORDER
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MEANINGS
穂を垂らす粟(あわ)の実。
あわ、穀物、わずかなもの。
★素朴で堅実な実りを願う。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。