◆ 元の意味(古代)
糸を刀で断ち切る。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
zetsu
画数
12画
成り立ち
会意
部首
いとへん
分類
常用漢字
糸を刀で断ち切る――極限を象る字。
ORIGIN
「絶」の旧字「絕」は糸偏に「色(実は刀+卩の変形)」を組み合わせた会意文字である。『説文解字』糸部に「絕は糸を断つなり。糸に従ひ刀に従ひ卩声」とあり、糸を刀で切断する形を本義として明示する。白川静『字統』は、右側の構形を刀で糸を切る象形と解し、糸を断ち切ることを示す純然たる会意字であると論じる。連続していたものを断ち切ることから、「たえる」「たやす」の基本義が生じ、さらに継続が完全に途絶する状態として「これ以上ない」という極限の意、すなわち絶対・絶妙・絶景・絶世といった「比類ない」「並ぶものなき」意味が派生した。藤堂明保『漢字源』は「糸を刀でばっさり断ち切る」原義から、「とぎれる」「途中でやめる」「比類なくきわまる」へと展開した語族として整理し、絶対・絶頂・絶滅などの語が示す「極まりて他に及ばぬ」感覚を、断絶という強烈な原イメージから説明している。命名においては断絶の意味が強く忌避される一方、語彙としては卓越・最上を示す肯定語にも転じる両義の字である。
構成要素
糸+刀+卩(会意・糸を刀で断つ)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
糸を刀で断ち切る。
たつ。たえる。きわまる。きわめてすぐれる。
★命名忌避字。断絶の意が強いため通常は使われない。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。