◆ 元の意味(古代)
妊娠して腹のふくれた身体、人のからだ。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
mi
画数
7画
成り立ち
象形
部首
み
分類
常用漢字
腹に子を孕んだ人の姿を象る。命を内に宿す尊き字。
ORIGIN
「身」は人が腹を膨らませて立つ姿、すなわち妊娠した女性の側面の形を象った象形文字である。『説文解字』巻八上に「身は躬なり。象人之身。人に従い𠂉声」とあり、許慎は身を「躬(からだ)」と互訓して、人の身体全体を意味するとし、字形を人に従う形声字と説いている。しかし白川静『字統』は、甲骨文・金文の字形を厳密に分析し、許慎の解釈を改めて、「身」は本来、腹部の大きく張り出した形、すなわち妊婦が子を孕んでいる側面像を象ったものであり、原義は「みごもる」「身重」であったと喝破する。白川によれば、後にこの「みごもる身体」の意から、広く人の「からだ全体」「自分自身」へと意義が拡張されたという。古代において身体は単なる肉体ではなく、命を孕み、霊を宿す神聖な器であり、「身を慎む」「身を立てる」という倫理観もこの神聖性に由来する。藤堂明保『漢字源』は、身を「中身が詰まったからだ」と捉え、語源的に「真(まこと、中身が充実する)」「申(伸びる)」と同系の語族と分析する。藤堂は身が「自分自身」「身分」「身命」など、自己存在の根源を表す重要語に用いられることを強調する。日本語では「み」と訓じ、自分・身体・身上・出身など、生命と人格の根源を象徴する深い字である。命名にも「身」単独はまれだが、人格と命の重みを意識する字として尊ばれる。
構成要素
腹に子を宿す人の側面を象った象形
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
妊娠して腹のふくれた身体、人のからだ。
み、からだ、自分自身、身分、生命。
★かけがえのない命と人格そのもの。自分らしく生き抜く願い。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。