◆ 元の意味(古代)
農具を手にして耕す労苦。
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KANJI ETYMOLOGY
joku
画数
10画
成り立ち
会意
部首
しんのたつ
分類
常用漢字
農具を手に取る農耕の労苦。転じて屈辱、また「かたじけなし」の謙意。
ORIGIN
「辱」は「辰(貝の農具)」と「寸(手)」を組み合わせた会意字で、農具を手にとって田を耕す行為を表す。『説文解字』辰部に「辱は恥なり。寸の辰の下に在るに従ふ。失耕の時、封彊(ほうきょう)の上に於てこれを戮(はずかし)む。辰なる者は農の時なり」とあり、許慎は古制で農時に怠った者は田畔で罰せられたと説き、ここから「はずかしめ」の意が生じたとする。白川静『字統』は、辰が農具の象であることを踏まえ、辱は本来「農耕に従事する」具体的動作の字であったが、農作業が泥にまみれ身を屈する辛苦であることから「身を低くする」「謙る」の意に転じ、さらに人を低くせしめる「辱める」の意が派生したと論じる。藤堂明保『漢字源』はジョク音の語族として「身を低くする」「ぴったりつけて従う」共通義を指摘し、蓐(じょく=草を編んだ敷物)・縟などと同源とする。日本語では「御芳名を辱(かたじけな)くす」のように、相手の高位に対し自身を低めて感謝する謙譲語にも用いられ、必ずしも侮蔑だけの字ではない。命名には屈辱の語感が強いため通常用いないが、原義としては勤勉な農耕の徳を含む字である。
構成要素
辰+寸
STROKE ORDER
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MEANINGS
農具を手にして耕す労苦。
はずかしめる、はじ、かたじけない。
★(命名忌避)勤勉に身を低くする徳の含意あり。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
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現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。