◆ 元の意味(古代)
青色の金属、なまり。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
en
画数
13画
成り立ち
形声
部首
かねへん
分類
常用漢字
重く軟らかな金。墨の元。
ORIGIN
『説文解字』金部に「鉛、青金也。从金、㕣聲」とあり、青鉛色の金属、すなわちなまりを本義とする。声符「㕣(えん)」は谷間に水が沿って流れる象で、白川静『字統』はこの音符を「沿う・流れ落ちる」意の語族の核と見て、鉛もまた低く沈み流れる重量金属として字義に合致するとする。藤堂明保『漢字源』はエンの音を「沿・縁・延」と並べ、「ふちに沿って長く伸びる」感覚と関連づけ、鉛が打てば容易に薄く延びる性質を音義両面から説く。古代中国では鉛は丹砂・水銀とともに方士の錬丹術の重要素材であり、『抱朴子』『参同契』に鉛汞の語が頻見する。鉛白(胡粉)は化粧料となり、鉛丹は赤色顔料として仏画や漆器に用いられた。本邦でも『正倉院文書』に「鉛」の用例が見え、鋳銭・経筒・写経の墨硯まで広く用いられた。後に黒鉛を芯とする筆記具が「鉛筆」と呼ばれるに至り、字義は学問・文事の象徴へと拡張した。命名上は重みある資質、文事への親しみを暗示する字として、稀に用例が見える。
構成要素
金(かねへん)+㕣(声符)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
青色の金属、なまり。
鉛。鉛筆。
★重厚さと文事を暗示する字。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。