第3卦
水雷屯
すいらいちゅん 上卦: ☵坎下卦: ☳震
卦辞
屯。元亨利貞。勿用有攸往。利建侯。
屯は、元に亨り、貞しきに利し。往く攸あるを用うるなかれ。侯を建つるに利し。
屯の卦は、生みの苦しみを伴う始まりの時。大きく通じる力はあるが、軽率に動き出してはならない。基盤を整え、共に歩む仲間や指導者を立てれば道が開ける。
彖伝
屯、剛柔始交而難生。動乎險中。大亨貞。
屯は、剛柔始めて交わりて難生ず。険の中に動く。大いに亨りて貞し。
屯とは、陽と陰が初めて交わったときに必然的に生じる困難の象。危険のただ中で動こうとする。それでも正しさを貫けば必ず大きく通じる。
象伝
雲雷屯。君子以經綸。
雲雷は屯なり。君子はもって経綸す。
雲が垂れ込め雷鳴が轟くのが屯の象。君子はその姿を見て、混沌の中で世を治める方策を練り、糸を紡ぐように粘り強く秩序を編み上げる。
爻辞
上六
乘馬班如。泣血漣如。
馬に乗りて班如たり。血を泣くこと漣如たり。
馬上で進むことも退くこともできず、血の涙を流すように嘆く象。困難の極みに至り、自力では出口が見えない。ここに至る前に方針を改め、他者に助けを求めるべきだったとの戒めの爻。今は嘆きの中で原点を見直す時。
九五
屯其膏。小貞吉。大貞凶。
其の膏を屯む。小貞は吉、大貞は凶。
豊かな恵みを抱えながら、それを十分に下に施せない位の象。小さな範囲で正しく守れば吉だが、いきなり大改革を断行しようとすれば凶となる。地位はあっても影響力が届きにくい時、まず身近な実績を一つずつ積むべし。
六四
乘馬班如。求婚媾。往吉無不利。
馬に乗りて班如たり。婚媾を求む。往けば吉、利しからざるなし。
馬上で進退に迷うが、自ら下りて誠意ある相手に婚を求める時。素直に頭を下げ協力を願えば必ず吉となり、何事も順調に運ぶ。プライドより実利、孤立より連帯を選ぶことで道が開ける爻。
六三
即鹿無虞。惟入于林中。君子幾。不如舍。往吝。
鹿に即くに虞なし。ただ林中に入る。君子は幾を見て、舎つるに如かず。往けば吝。
案内人もないまま鹿を追って深い林に踏み込んでしまう象。賢者はその兆しを察し、追跡を諦めて引き返す。欲に駆られ無謀に進めば必ず恥を残す。情報も準備も足りない案件は潔く撤退する勇気が要る局面。
六二
屯如邅如。乘馬班如。匪寇婚媾。女子貞不字。十年乃字。
屯如、邅如たり。馬に乗りて班如たり。寇に匪ず、婚媾せん。女子貞しくして字せず、十年にして乃ち字す。
進もうとして悩み戸惑う時。馬に乗ったまま行きつ戻りつする。襲ってくる者は敵ではなく求婚者だが、若い女性が誠実さゆえに応じず、十年経ってようやく結ばれる。今の縁を急がず、本物の縁が熟す時を待つ象である。
初九
磐桓。利居貞。利建侯。
磐桓たり。居りて貞しきに利し。侯を建つるに利し。
石のように動かず留まる時期。焦って前進せず、その場に踏みとどまり正しさを保つことで利を得る象。志を共にする協力者・後ろ盾(侯)を立てれば道が開ける。創業期に拙速な拡大を避け、足場を固める者にこそ運命の支援者が現れる。
カテゴリ別解釈
恋愛・婚活
新しい関係が芽生え始める時期だが、まだ未熟で進展に困難がつきまとう。焦って告白や同棲に踏み切ると関係が崩れやすい。今は信頼の土台を丁寧に築き、相手の人柄をじっくり見極める段階。共通の仲間や信頼できる第三者の助けを借りながら、十年単位の縁を信じて待つ覚悟が、後の確かな結びつきを生む。天命の相手は必ず時を経て巡り合う。マッチングアプリで複数同時進行するより、一人と深く向き合う姿勢が運命を引き寄せる。婚活疲れを感じたら一旦離れ、自分自身を整えることに専念せよ。
仕事・転職
創業期・新規プロジェクトの黎明期に当たる卦。理想は大きいが、人材・資金・情報のすべてが揃わず混沌としている。一気にスケールを狙わず、まず一人の信頼できる協力者を立て、小さな実績を積み上げることが最優先。安易な拡大、見切り発車の契約は凶。粘り強く糸を紡ぐように体制を編む者だけが、次の段階で大きな実りを得る。経営層・出資者・メンターを早期に立てる(利建侯)ことで、混沌の中にも秩序が生まれる。耐えた者が次のフェーズで王者となる。
全体運・金運
雲は垂れ込め雷は鳴るが、まだ雨は降らない。エネルギーは満ちつつあるが結果が出にくい停滞期。金運は支出が先行し収入が追いつかない傾向。だが種まきの時と心得て地道に動けば、半年から一年の中で潮目が変わる。健康面ではストレス由来の不調に注意。安静と規則正しい生活で内側の地力を整えることが、後の飛躍を支える土台になる。今は派手な投資より、教育・健康・人脈への種まきが、後に何倍にもなって還ってくる時期と心得よ。
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