◆ 元の意味(古代)
足が地から出発してゆく
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KANJI ETYMOLOGY
Shi / Yuki
画数
3画
成り立ち
指事
部首
丿(の)
分類
人名用漢字
地面から足が出発する形を象り、「ゆく」を原義とする字。古典の助詞「の・これ」として広く用いられ、之介・之輔・之助など男児名で頻用される伝統字。
ORIGIN
『説文解字』に「出づるなり、艸の地を過ぎて枝茎漸益して大なるに象る」とあり、草が地から伸び出す形と説く。しかし甲骨文・金文の字形は、横線(地面)の上に足跡(止)を置く構造で、白川静『字統』はこれを「足が地を踏んで出発する」象形とし、原義を「ゆく・行く」と確定する。藤堂明保『漢字源』はShiの音を「至・止」と同系とし、ある場所から進み出る動作を意味するとする。古代漢語では本義「ゆく」のほか、指示代名詞「これ」、所有助詞「の」、主語と述語をつなぐ接続助詞として極めて高頻度に用いられ、『論語』『孟子』『史記』全篇に頻出する。『大漢和辞典』は之を「漢文中最も多用される助字」と評する。日本では奈良時代以降、漢文訓読で「これ・の・ゆく」と訓じ、人名では『古事記』『日本書紀』の伝承人物名に「武内宿禰之子(たけうちのすくねのこ)」など見え、平安期以降「之介(のすけ)」「之輔(のすけ)」「之助」が武家・公家男児の典雅な名前として定着。近世から現代まで「龍之介・健之輔・幸之助」など止め字として絶大な人気を保つ。落合淳思は甲骨文「之」を「足の出発」と確定し、人名における「之」は古典素養と教養の象徴であると評する。
構成要素
丿(足) + 一(地面)
STROKE ORDER
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MEANINGS
足が地から出発してゆく
ゆく・これ・の(助詞)
★古典素養と教養の薫り高い止め字。之介・之輔として男児名に風格と品位を与え、自らの道を着実に歩んでゆく人に
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。