◆ 元の意味(古代)
本義は身に染みる厳しい寒さ、冷気が刺さるような冷たさを意味した。氷点下の冷え込みや、空気の張りつめた冬の朝のような寒気を形容する語であり、感覚的な「冷」と心理的な「緊張感」を併せもつ表現として用いられた。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
Rin
画数
15画
成り立ち
形声
部首
冫部
分類
人名用漢字
「凛」は「冫(にすい・氷)」を意符、「稟」を声符とする形声字で、身が引き締まるような寒さを本義とする。そこから引き締まった姿勢・凛然とした気高さを象徴する一字として愛される。
ORIGIN
「凛」は本来「凜」と書かれ、両者は同字異体である。篆文では「冫」と「稟(リン)」を組み合わせた形声字として確立した。「冫(にすい)」は氷の結晶や水滴が凍る形を象った象形で、寒さ・冷たさを表す意符として用いられる。「稟」は穀倉に穀物を納める形に由来し「うけとる・たまわる」の意をもつが、本字では音「リン」を示す声符として働く。許慎『説文解字』には収録されないが、後の字書類で「寒なり」「凍りつくほど寒し」と説かれ、冷気が肌に刺さるような厳しい寒さを本義とした。そこから比喩的に、寒気を感じるほどに引き締まった姿勢・近寄りがたい威厳・気品を表す「凛然」「凛冽」「凛々しい」の用法が生まれた。日本では人名用漢字として2004年に追加され、近年急速に人気が高まった。
構成要素
左の「冫(にすい)」は二点の氷を象った象形で、氷・寒さを示す意符。右の「稟」は「亠+回+禾」の構成で穀倉に穀物を納める姿に由来し、本字では声符「リン」を担う。意符と声符による形声字の典型例である。
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
本義は身に染みる厳しい寒さ、冷気が刺さるような冷たさを意味した。氷点下の冷え込みや、空気の張りつめた冬の朝のような寒気を形容する語であり、感覚的な「冷」と心理的な「緊張感」を併せもつ表現として用いられた。
現代では寒さの意よりも、引き締まった姿勢や威厳ある態度を指す比喩的用法が中心となる。「凛とした佇まい」「凛々しい顔つき」など、気品・誇り・芯の強さを伴う美しさを表現する語として、特に和の美意識と結びつけて好まれる。
凛とした品格と芯の強さを備え、誰に対しても堂々と振る舞える人になってほしいという願いを込めて用いられる。冬の張りつめた空気のような清らかさ、近寄りがたいほどの気高さを象徴し、女児名「凛」一字が高い人気を誇るほか、男児にも用いられる。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。