◆ 元の意味(古代)
屋内で祝詞を刻み傷つける、神意を損なう
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KANJI ETYMOLOGY
gai
画数
10画
成り立ち
会意
部首
宀(うかんむり)
分類
常用漢字
屋根の下に祝詞の器を傷つけ、神意を損なう警めを示す字
ORIGIN
『説文解字』第七篇下に「害、傷なり。宀に従ひ口に従ひ、宀口は家に言ふを言ふ。丯声」とあり、宀(屋根)と口(くち、または祝詞の器)、丯(カイ=刻み傷の形)を組み合わせた会意兼形声文字と説かれる。許慎は「傷」の義で釈し、家中で言葉が傷つけられる、すなわち害われる意を本義とする。段玉裁注では「害は傷つくる所以なり」と引き、損傷・妨害の本義を強調する。白川静『字統』ではより踏み込み、口は神への祝詞を収めた器(𠙵)であり、丯はその器に刃で刻みを入れ呪詛を加える形であるとする。すなわち害は、神聖な祝詞を傷つけて呪い、神意を損なう古代呪術行為に由来し、そこから「そこなう・わざわい」の意が派生したと説く。『漢字源』はガイ声系として「妨げる・切る」意の語族とし、轄・割・契などと同根の関係にあるとする。古典『書経』大禹謨「不害・不虐」、『詩経』小雅「害浣害否(何をか浣ひ何をか浣はざる)」では疑問詞「なに・なんぞ」の借音用法も見られ、用法の幅が広い。「災害」「被害」「公害」など、現代では損なわれること・傷つけることの意で広く使われる。名前への使用はマイナスの語感から避けられるが、字源を学ぶ上では「言葉や約束を損なってはならない」という古代の倫理観を伝える重要な字である。本来の警めを知ることで、害なき誠実な生き方を志す象徴ともなりうる。
構成要素
宀(屋根)+丯(刻み傷)+口(祝詞)
STROKE ORDER
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MEANINGS
屋内で祝詞を刻み傷つける、神意を損なう
そこなう、わざわい、さまたげる
(一般に名前には用いない)
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。