◆ 元の意味(古代)
屋内に酒食の備わる祭祀の充足
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KANJI ETYMOLOGY
fu
画数
12画
成り立ち
形声
部首
宀(うかんむり)
分類
常用漢字
屋根の下に酒樽の満ちる象、内に充ち足りた豊かさを宿す祝福の字。
ORIGIN
『説文解字』巻七下に「富は備はるなり。一に曰く、厚なり。宀に従ひ畐聲」とあり、形声字として宀を意符、畐(フク)を音符とする。畐は腹の張った酒樽を象る象形で、満ち溢れる意を本来備える。白川静『字統』は、宀は祖廟の屋根、畐は神に供える満杯の酒器を表し、廟中に酒食の備わる祭祀の充足、すなわち祭祀の豊穣を本義とすると解する。藤堂明保『漢字源』は畐を音符として「ぱんぱんに膨らむ」の語感を共有する単語家族(富・福・副・幅)に属し、満ち足りる意を一貫して持つとした。原義は神事における物資の充実で、そこから世俗の「財産が多い・とむ」、さらに「精神的に豊か」の意へ広がった。『論語』学而篇「富にして驕ること無し」、述而篇「富貴は浮雲のごとし」など、儒家は富を倫理的に問い直す対象として尊重した。日本では『古事記』に富登(ほと)など神聖な語に用いられ、富士・富山など国土の名にも刻まれた。名前に用いると物質的繁栄のみならず、心の充足、人徳の厚み、子孫繁栄を願う最高位の吉字とされ、富子・富雄など世代を超え愛用されてきた。商家・農家を問わず日本人の繁栄観を象徴する伝統的な字。
構成要素
宀(家)+畐(満杯の酒器・音符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
屋内に酒食の備わる祭祀の充足
とむ、とみ、ゆたか、多い
物心ともに豊かな繁栄を願う最高位の吉字
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。