◆ 元の意味(古代)
紡錘を手で回し、糸を一筋に紡ぎ続けること
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
sen
画数
9画
成り立ち
会意兼形声
部首
寸(すん)
分類
常用漢字
旧字「專」の新字体。紡錘を手に握り、糸を一筋に紡ぐ形。一事に心を集中する徳の字。
ORIGIN
旧字は「專」。『説文解字』寸部に「專は六寸の簿なり。寸に从ひ叀聲」とあり、許慎は文書を巻き取る札を本義としたが、より根源的には叀(紡錘の象形)を寸(手)で握り回す動作を示す会意兼形声字である。白川静『字統』は、叀を糸を巻き取る紡輪の形とし、これを手で操って一本の糸を紡ぎ続けることから、「もっぱら」「ひたすら」の意が生じたと述べる。糸を均一に紡ぐには余念なき集中が必要であり、ここから一意専心・専門・専念の語感が育った。藤堂明保『漢字源』は「ひとつに集める」を核義とし、団・伝・転など叀を含む字と同系で、いずれも「丸く一つに巻く」「ひとすじに集中する」意を共有すると整理する。『論語』子罕篇に「四十五十而無聞焉、斯亦不足畏也已」と続く章で「專」の概念が説かれ、儒家では一道に専らなることが学問の根本とされた。『中庸』の「專一」は誠の徳と通じ、君子の修養目標とされる。日本では新字「専」が常用となり、専門性・専念・専心など、現代社会において自らの道を究める姿勢を象徴する重要字となっている。
構成要素
叀(紡錘)+寸(手)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
紡錘を手で回し、糸を一筋に紡ぎ続けること
もっぱら、ひたすら、一つに集中する、専門、独占する
一道を究める集中力と、揺るぎない誠実さを象徴。一筋に道を歩む人柄、極める志を願う名にふさわしい。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。