◆ 元の意味(古代)
二人が寄り添い親しむ、近しい
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
ni
画数
5画
成り立ち
会意
部首
尸(しかばね)
分類
常用漢字
寄り添う人の姿。慈愛と仏縁を秘めた字
ORIGIN
『説文解字』尸部に「尼は後より近づくなり。尸に従ひ匕に声す」とある。許慎は形声字としたが、字形の解釈には議論がある。白川静『字統』は、尼を「尸(座った人)と匕(後ろ向きの人)の二人が寄り添う形」と解し、原義を「人が背中合わせに親しく寄り添う」とする。すなわち「親しむ・近しい」が本義であり、後に「ちかい」「やすらぐ」の意を派生したと説く。藤堂明保『漢字源』は、語族「ニ・デイ=近づく・接する」に属するとし、邇(ちかい)・呢(小さく近しく語る)などと同系とする。仏教伝来後、サンスクリット語の「bhikṣuṇī(比丘尼)」の音訳に「尼」が当てられ、「出家した女性・尼僧」を示す字義が定着した。これは原義「寄り添う・親しむ」が、仏に近侍し慈悲を行ずる女性の姿と重なったためとされる。日本では古代より仏教文化と深く結びつき、「尼公」「尼君」など高貴な出家女性への敬称にも用いられ、慈愛と精神性を象徴する字として親しまれる。地名「尼崎」にも残る。
構成要素
尸(座した人)+匕(後ろ向きの人)の会意
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
二人が寄り添い親しむ、近しい
あま、尼僧、ちかい、やすらぐ
慈愛深く穏やか、精神性の高い人柄
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。