◆ 元の意味(古代)
山に挟まれた狭い谷。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
kyou
画数
10画
成り立ち
形声
部首
山(やま)
分類
人名用漢字
「峡」の旧字体。両山に挟まれた清流の谷を表す重厚な字。
ORIGIN
「峽」は「峡」の旧字体(康熙字典体)で、「山」と音符「夾(キョウ)」から成る形声字である。『説文解字』山部に「峽は隘なり、山の間に陥するもの」と記し、山と山に深く挟まれた狭隘な地形を指す。音符「夾」の旧字は「大」(人の正面形)の左右に「人」二つを配し、両脇に挟み持つ意を明示する。新字「峡」では夾の中の人二つが点画化されたが、「峽」字は古典的な字形を保ち、両側から守護する原義を視覚的に伝える。白川静『字統』は夾を「人を両腋に挟む形」とし、峽を「山に守られた深い谷」と読む。藤堂明保『漢字源』も「夾」の挟む語感を継承し、峽を「両岸が迫った狭い谷間」と解説する。古典では『水経注』巻三十四の三峡記述、酈道元の名文「自三峽七百里中、両岸連山、略無闕処」が著名で、長江三峡の壮大な景観美を伝える。日本でも明治期までは公文書・人名にこの「峽」字が用いられ、重厚な格調を備える。名に用いる際は、両側に守られる安定、深く清らかな水の流れ、揺るぎない芯と奥深さを示す。古典的な品格を宿す字として、伝統を重んじる命名に適う。
構成要素
山(意符)+夾(音符・はさむ)
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
山に挟まれた狭い谷。
海峡・峡谷。両岸が迫った地形。
守られた清らかさ、深い品格、伝統的な趣を示す。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。