◆ 元の意味(古代)
人々が集い物を売買する場。
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KANJI ETYMOLOGY
shi
画数
5画
成り立ち
会意兼形声
部首
巾(はば)
分類
常用漢字
人々が集い物を商う「いち」。賑わいと交わりの場を象る字。
ORIGIN
「市」は会意兼形声の字で、上部の「亠(とう)」と下部の「巾」とから成り、もとは「之(ゆく)」と「兮(けい)」を組み合わせた形だったと考えられる。『説文解字』冂部に「市は買売の所なり。冂に従い、之の省に従う」と記し、人が出入りする場であって、物の売買を行うところと定義する。許慎は「之の省」によって人が往来する意を含ませた。白川静『字統』は、古代の市は神聖な場であって、神を祀る祭場の前に立って交易を行ったと述べ、上部の標識は市を示す旗(標木)を立てた形であると解する。市は単なる商いの場ではなく、共同体の秩序と交わりが生まれる神聖な空間であった。藤堂明保『漢字源』は、「市」を「集まる」「ぴたりとくっつく」の意の会意兼形声字とし、人と物が一所に密集する場であるとした。古代中国では朝市・午市・夕市と一日に三度立つ市があり、王朝の経済と文化の中心であった。日本でも『万葉集』に「海石榴市(つばいち)」など多くの市が歌に詠まれ、人と神、人と人が出会う場として尊ばれた。今日「都市」「市民」「市場」と用い、人々の暮らしと文化が生まれる場を意味する。
構成要素
亠(標木)+巾(布旗)。
STROKE ORDER
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MEANINGS
人々が集い物を売買する場。
いち、市場、行政区画としての市、交易の場。
人を集め、活気と交わりを生む字。社交性・開放性・繁栄の願いを込められる。
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※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。