◆ 元の意味(古代)
山ふところに細糸を秘めるごとく奥深く隠れたさま
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KANJI ETYMOLOGY
yu
画数
9画
成り立ち
会意
部首
幺(よう・いとがしら)
分類
常用漢字
山のおくに細糸を秘めるごとく、奥深きしずけさの字。
ORIGIN
『説文解字』山部に「幽は隱るるなり。山に従ひ茲に従ふ。茲もまた声」とあり、山に幺(細糸)二つの字形をもって、山ふところの奥深く隠れたさまを示す会意字とする。白川静『字統』は、二つの幺は細やかな糸の束、山はそれを抱く山岳で、合わせて「奥深く幽閉する」意を表すと説く。古来、山中に祭祀の場を設けて神霊を秘した呪的な情景を字源とし、人の眼に届かぬ神秘の領域を象ったと見る解もある。藤堂明保『漢字源』も同系語に「窈」「黝」など暗く奥深い字を挙げ、ぼんやりとうす暗く、しかし芯に細やかな美を宿すさまを原義とする。古典においては『詩経』『楚辞』に幽蘭・幽谷・幽人の語が見え、人里離れた静かな谷間に咲く香り高き蘭、隠士の高潔な徳を象徴する。漢魏六朝の山水詩、唐宋の禅文学では「幽」は奥深い静けさと精神性を示す美的範疇となり、日本の中世美学「幽玄」へと発展した。世阿弥の能楽論、藤原俊成・定家の歌論において「幽玄」は表に出ぬ深き余情を意味し、東洋美の根幹をなす。
構成要素
山+幺(細糸)二つ=山に秘められた細糸
STROKE ORDER
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MEANINGS
山ふところに細糸を秘めるごとく奥深く隠れたさま
かすか、くらい、しずか、おくぶかい、幽玄
深い精神性と気品、静かな存在感を備える人へ。やや暗い字義のため、現代の名づけでは雅号・芸名に用いられることが多い。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。