◆ 元の意味(古代)
心がひらりと過ぎ去り留まらない、たちまち
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KANJI ETYMOLOGY
kotsu
画数
8画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
瞬く間に心を過ぎる、束の間と疾さの字
ORIGIN
『説文解字』心部に「忽、心を忘るるなり。心に従ひ、勿(ぶつ)聲」とある。許慎はこれを「心が留まらず、つい忘れてしまう」状態と解し、忄ではなく心を意符、勿を聲符とする形声字に位置づけた。聲符の「勿」は色とりどりの吹き流しが風に翻る象形で、はっきり形を留めず、ひらひらと過ぎ去る意を含む。白川静『字統』は、勿が祓いの幟であることに着目し、心が幟のように一瞬ひるがえって過ぎ去り、定着しない様を忽と捉えた。藤堂明保『漢字源』は「勿」系の語族として「物」「歿」「沕」を挙げ、「形がぼんやりして消え去る」「目に見えず過ぎ去る」という共通の核義を見いだしている。すなわち忽は、心がほんの瞬時にとらえては失う、極めて短い時間感覚を表す字である。古典では『荘子』に「忽然として往き、忽然として来たる」と見え、宇宙の生成変化の素早さを述べ、また『楚辞』では「歳忽忽として其れ将に暮れんとす」と、月日の早さを嘆く語に用いた。日本語の「たちまち」「ゆるがせにする(おろそかにする)」の二訓は、瞬時性と軽視という両義をよく伝える。常用・人名用漢字には含まれないため命名での使用は限られるが、文学的な雅号や創作名では、機敏さや一瞬を捉える鋭敏さを象徴する字として用いられる。
構成要素
勿(翻る幟)+心
STROKE ORDER
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MEANINGS
心がひらりと過ぎ去り留まらない、たちまち
たちまち、にわかに、ゆるがせ、おろそか
機敏さ、瞬間を捉える鋭さ(雅号・創作名向き)
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。