◆ 元の意味(古代)
両手を合わせて身を引き締め慎みおそれる、畏敬
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KANJI ETYMOLOGY
kyou
画数
10画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
両手を合わせ慎みおそれる、畏敬と緊張の字
ORIGIN
『説文解字』心部に「恐、懼(く)なり。心に従ひ、巩(きょう)聲」とあり、心を意符、巩を聲符とする形声字である。聲符の「巩」は工(道具)と凡(こうがい)または手で何かを抱え固めるさまの象形で、「両手で固く抱きしめる・かたく緊張する」意を含む。白川静『字統』は、巩がもと両手を合わせ祈り捧げる形を含み、神霊の前で身を引き締めて慎む心情を恐と説き、単なる恐怖ではなく畏敬の念を伴う緊張を字義の核とする。藤堂明保『漢字源』は同系語族「拱」「鞏」「珙」を挙げ、「両手で抱え固める・かたくしっかり締める」共通の核義を抽出する。すなわち恐の本義は「心がかたく引き締まり、敬い慎む」ことであり、ここから「おそれる・おそろしい・こわい」さらに「おそらく・ひょっとして」と推量の語へも展開した。古典では『書経』『詩経』に「天威を恐る」「鬼神を恐る」と神への畏敬を、『論語』に「君子に三畏あり、天命を畏れ、大人を畏れ、聖人の言を畏る」と、恐畏が徳目として語られる。「恐悦」「恐惶」「恐縮」のような熟語は、相手を敬って身を低くする日本独特の謙譲表現を生み、書簡用語として今も生きる。日本語「おそれる」は「於曾流」、心が身を屈めるさまをいう。命名にはほぼ用いられないが、字義の根には「天を畏れ人を敬う慎みの心」があり、東洋的徳の根幹を担う重要な一字である。
構成要素
巩(両手で固める)+心
STROKE ORDER
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MEANINGS
両手を合わせて身を引き締め慎みおそれる、畏敬
おそれる、こわい、おそらく
畏敬・慎みの心(命名は不向きだが徳目として重要)
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。