◆ 元の意味(古代)
神霊を畏れる、敬って慎む。
読み込み中...
KANJI ETYMOLOGY
i
画数
9画
成り立ち
象形
部首
た
分類
常用漢字
神を畏れ敬う字。畏怖の念と慎みを象徴する古雅な漢字。
ORIGIN
「畏」は『説文解字』に「惡也。从甶、虎省。鬼頭而虎爪、可畏也」とあり、悪(おそろしいもの)を意味し、甶(鬼の頭)に従い、虎の省略形に従う、すなわち鬼の頭に虎の爪を備え、畏れるべき存在を示すと解説される。許慎は「畏」を恐ろしい霊的存在の象形とし、人がその前で畏怖し敬う心理を含意するとした。藤堂明保『漢字源』はこの解をやや修正し、「畏」を仮面をつけた呪術者、あるいは異形の神霊の姿を象った象形字とし、人がそれを前にして畏敬の念を抱くさまを表すとする。白川静『字統』では、「畏」は鬼頭をもち、戈(ほこ)を持つ呪的な存在を象った字であるとする。古代の祭祀において、仮面神もしくは神懸りの呪者が祭場に現れ、人々はその超自然的な威厳に対して身を慎み畏れた。これがすなわち「畏」の原義であり、単なる恐怖ではなく、聖なるものに対する深い敬意と慎みを伴う心理を示す。『論語』に「君子有三畏」とあり、君子が天命・大人・聖人の言葉を畏れ敬うことが説かれる。日本では「おそれかしこむ」と訓じ、神社・宮中の語法に深く取り入れられた。命名にはほとんど用いられないが、「畏敬」「畏友」など、敬意を含む熟語に深く根付いている。
構成要素
鬼頭と戈の象形
STROKE ORDER
▶ 再生で一画ずつ確認できます
書き順データを読み込み中…
MEANINGS
神霊を畏れる、敬って慎む。
おそれる。かしこまる。畏敬。
★命名には用いにくいが、慎みと敬意を表す。
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。