◆ 元の意味(古代)
死者の霊魂、祖霊、神霊。
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KANJI ETYMOLOGY
ki
画数
10画
成り立ち
象形
部首
おに
分類
常用漢字
畏怖と霊威の象徴。
ORIGIN
「鬼」は『説文解字』に「人所歸爲鬼。从人、象鬼頭。鬼陰气賊害、从厶」とあり、人が死後に帰す存在として捉えられた。甲骨文・金文の字形は、大きな頭部を持つ人の姿を象った象形文字であり、頭部が誇張されているのは、死者の霊魂が頭に宿るという古代中国の霊魂観を反映している。白川静『字統』はこの字を、儀礼用の仮面をつけた巫者の姿を象ったものと解釈し、神霊と交感する司祭の像として捉えた。すなわち「鬼」とは本来、忌むべき悪霊ではなく、死者の魂・祖霊・神霊といった畏敬の対象を広く指す語であった。藤堂明保『漢字源』は、「鬼」の音はキで、帰(キ)と同系であり、人の霊魂が黄泉に「帰る」存在を意味すると説く。下部の「厶」は私的・隠秘の意を含み、人目につかぬ陰の領域に属する存在を表す。中国古代では、王侯の祖霊を「鬼神」と称し祭祀の対象としたが、後世になると仏教渡来とともに地獄の獄卒や悪鬼の像が混入し、日本では「おに」の字訓を得て怪異な姿の妖怪を指すに至った。なお『礼記』祭義篇に「衆生必死、死必歸土、此之謂鬼」とあり、鬼の字義の根源を示す。
構成要素
上部「甶(鬼の頭)」+下部「儿+厶」。
STROKE ORDER
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MEANINGS
死者の霊魂、祖霊、神霊。
おに、妖怪、人並み外れた者の比喩。
★畏怖を伴う霊威・超人的な力を象徴するが、現代の語感では負の含意が強く、人名には極めて稀。比喩的に剛勇・不撓を託す例に限られる。
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。