◆ 元の意味(古代)
心の表面が張りつめて震える、おそれおののく
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KANJI ETYMOLOGY
fu
画数
8画
成り立ち
形声
部首
忄(りっしんべん)
分類
常用漢字
心が布のように張り詰めて慄える、畏れの字
ORIGIN
『説文解字』心部に「怖、惶(こう)なり。心に従ひ、布(ふ)聲」とあり、忄(心)を意符、布を聲符とする形声字である。「布」は手で麻布を平らに広げる象形で、表面が広く張りつめる意を含む。白川静『字統』は、心の表面が薄く張り渡されたように緊張し、ひりひりと震える状態を怖と説き、外的脅威に直面したときの皮膚感覚的なおののきを描写する字と捉えた。藤堂明保『漢字源』は同系語に「怕(は)」「迫」「拍」を挙げ、「ぴたりと押し当てて張りつめる」「緊張で身がすくむ」という共通の核義を導く。すなわち怖の本義は、心が逼迫して震える「畏怖」であり、単なる嫌悪ではなく、相手の威厳や未知の力に対する敬重まじりのおそれを含む。古典では『荘子』に「望めば畏怖す」、『漢書』に「天威を怖る」とあり、しばしば「畏」と並び用いられて、神霊・自然・上位者への厳粛な恐れを表した。日本語訓の「こわい」は、本来「強し(こはし)」と同源で、こちらも張りつめて硬いさまをいう。仏教経典では「怖畏(ふい)」の語で煩悩や輪廻の苦への恐れを表し、宗教的緊張感を担う。命名に用いられることはほとんどないが、字の核には張り詰めた集中力や畏れ慎む心という側面もあり、雅号などで慎みを表現する用例がまれに見られる。
構成要素
忄(心)+布(張り広げる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心の表面が張りつめて震える、おそれおののく
こわい、おそれる、おびえる
畏敬・慎みを示す字(一般命名にはほぼ不使用)
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。