◆ 元の意味(古代)
目を見開いて警戒し恐れる
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KANJI ETYMOLOGY
ku
画数
11画
成り立ち
形声
部首
忄(りっしんべん)
分類
常用漢字
見開いた目で危険を察する心。慎重さと警戒の知恵の字。
ORIGIN
「惧」は心を意味する「忄(りっしんべん)」と、音符「具(グ)」から成る形声文字で、「懼」の俗字・略字として広く用いられる。本字「懼」は『説文解字』に「恐也。从心瞿聲」とあり、恐れを意味する字と定義される。声符「瞿(ク)」は鳥が左右を見回し驚き警戒する象形であり、白川静『字統』はこれを「目を大きく開いて辺りを警戒する鳥の姿」と解する。すなわち「懼/惧」は単なる恐怖ではなく、目を見開いて危険を察知し慎重に行動する警戒心を表す字である。「惧」字は声符を「瞿」から略字「具」に置き換えた俗体で、後に正字として広く認められた。藤堂明保『漢字源』は「具」が「揃える」「備える」の意を持つことから、「惧」を「心に備えを持って警戒する」と解釈する。古典では『論語』『孟子』に「君子有三戒」「危惧」など、君子の持つべき慎重さの徳として頻出する。すなわち「惧」は臆病な恐れではなく、危険を予見し備える智慧の心であった。仏教漢訳でも「畏惧」として、軽率を戒め慎重に振る舞う徳を意味する語に用いられた。日本でも「危惧」「畏惧」など、公的・哲学的文脈で多用される。2010年に常用漢字に追加され、現代の標準字として位置づけられた。命名には通常用いられないが、字源は「危険を察する慎重さ」「先見の明」「軽率を戒める知性」を象徴する徳の字である。
構成要素
忄(心)+具(整える・音符グ、本来は瞿)
STROKE ORDER
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MEANINGS
目を見開いて警戒し恐れる
おそれる。心配する。危惧する。
慎重さ、先見の明、警戒する知恵(命名には不適)
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。