◆ 元の意味(古代)
心の張りが崩れ落ち敬を欠く
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KANJI ETYMOLOGY
da
画数
12画
成り立ち
形声
部首
忄(りっしんべん)
分類
常用漢字
崩れ落ちる心の張り。緊張と弛緩の人間心理を映す字。
ORIGIN
「惰」は心を意味する「忄(りっしんべん)」と、音符「隋(ダ・スイ)」から成る形声文字である。『説文解字』に「不敬也。从心、嘴(隋)省聲」とあり、敬意を欠く・慎みのない心を意味する字と定義された。許慎は儒家倫理に基づき、「敬」の対概念として「惰」を位置づけている。白川静『字統』は声符「隋」を、犠牲の肉が崩れ落ちる形と解し、「崩れる」「落ちる」が原義であるとする。すなわち「惰」は「心の張りが崩れ落ちる状態」「緊張感を失った弛緩」を表す字であり、単なる怠惰ではなく、心が本来持つべき敬意・緊張を喪失した状態を示す。藤堂明保『漢字源』も「隋」声系に「垂れ下がる」「ゆるむ」の含意を認め、「惰」を「心が垂れ緩む」と解釈する。古典『礼記』『荀子』では「惰慢」「怠惰」の語として、礼を欠き勤勉さを失う状態を戒める文脈で頻出する。儒家思想において「敬」は最高の徳の一つであり、その喪失としての「惰」は重要な戒めの対象であった。物理学において「惰性(慣性)」の語が生まれたのは、この「変化に対する抵抗・現状維持の傾向」という字義からの転用である。日本でも「怠惰」「惰性」「惰眠」など、戒めの文脈で広く用いられる。命名には用いられないが、字源は「心の緊張と弛緩」という人間心理の本質的構造を映し、「いかに敬意ある心を保つか」という倫理的問いを内包する字である。
構成要素
忄(心)+隋(犠牲の肉が崩れる象形・音符ダ)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心の張りが崩れ落ち敬を欠く
おこたる。なまける。だらける。
(命名には不適、戒めの字)
※ 由来事典に収録済みは由来ページへ、未収録は書き順ページへ
本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。