◆ 元の意味(古代)
心がのびて緊張を欠く、おこたる
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KANJI ETYMOLOGY
man
画数
14画
成り立ち
形声
部首
心(こころ)
分類
常用漢字
心がゆるやかに広がり、急がず歩む緩やかさの字
ORIGIN
『説文解字』巻十下に「慢は惰なり、心に从ひ曼の聲」とあり、心を意符、曼を声符とする形声字である。声符の「曼」は冂(おおい)と又(手)と目から成り、手で目を覆って覗き見るさま、また衣などを長く引き伸ばすさまから「ながい・ひろがる・ゆるやか」の語感を持つ。許慎は本義を「惰(おこたる)」と記し、心が引き伸ばされて緊張を欠き、なすべきことを怠る状態を「慢」と説いた。白川静『字統』は曼を「のびやかに広がる」と捉え、慢を「心の緊張がゆるみ間延びすること」と解し、ここから「おこたる・あなどる」の意が生じたとする。藤堂明保『漢字源』は曼の音系に「のびのびと長くひく」語感を認め、心の引き締まりが失われる「ゆるみ」と、自分を大きく見せる「おごり」の双方の義を導く。古典では『荀子』修身「怠慢忘身」、『漢書』に「驕慢」「軽慢」など、自分を高くし他者を侮る意で多用された。仏教では「慢」は七慢・九慢として煩悩の一つに数えられ、自我の高ぶりを戒める語となった。一方で「緩慢」「遅慢」のように単に「ゆるやか」を表す中立的用法もあり、宋詞などでは「慢」と題する緩やかなテンポの曲種が定着した。名に用いる例は乏しいが、語の背景を踏まえれば、急がず悠然と構える鷹揚さを象徴し得る一字である。
構成要素
心(こころ)+曼(声符・のびる・ひろがる)
STROKE ORDER
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MEANINGS
心がのびて緊張を欠く、おこたる
ゆるやか、おこたる、あなどる、おごる
(戒めの意味合いが強い字)
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。