◆ 元の意味(古代)
戈を執って組織的に戦う、心身を張り詰める
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KANJI ETYMOLOGY
sen
画数
16画
成り立ち
形声
部首
戈(ほこ)
分類
常用漢字
全身を張り詰めて戈を執る、戦の旧字体本字
ORIGIN
『説文解字』戈部に「戰は鬭(たたか)うなり。戈に从い單(タン)の声」と記される、由緒正しい本字。新字体「戦」の元字であり、現在も人名漢字としては「戦」が用いられるが、書道・古典籍・固有名詞では「戰」が用いられ続ける。『字統』(白川静、1984)は声符「單」を双叉の投石具あるいは鳥網を象る象形と解し、二叉に分岐する道具の象から「二者対峙して争う」意が引き出され、「戈」を加えた「戰」が組織的戦闘を表す形声兼会意の字となったと説く。さらに「單」には『詩経』『楚辞』に「戦々兢々」のように身を震わせる音義もあり、戦場の極度の緊張・恐怖をも内包する重層字であると指摘する。『漢字源』(藤堂明保、1988)はTAN-SAN音系列に「ぴんと張る、震える」核義を認め、心身が極限まで張り詰める状態を本義とし、そこから戦闘・震撼の両義が派生したとする。古典では『春秋左氏伝』『国語』『史記』『漢書』など史書・兵書の中核語彙として頻出し、『論語』泰伯の「戰戰兢兢」、『詩経』小雅の「戰戰兢兢、薄氷を履むが如し」のように畏敬と慎みを表す哲学語にも昇華した。日本でも漢学・漢詩の素養として旧字「戰」は今日まで重んじられ、命名では困難と覚悟を引き受ける武の精神を伝統的様式で象徴する字である。
構成要素
戈(意符)+單(声符兼意符)
STROKE ORDER
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MEANINGS
戈を執って組織的に戦う、心身を張り詰める
たたかう、いくさ、おののく(戦の旧字体)
覚悟をもって挑む武勇と慎み深い精神性
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本ページは以下の信頼できる字源辞典・古典に基づいて編纂されています。
※ 漢字の字源には学説により諸説があります。本ページでは『説文解字』を基本とし、白川静『字統』や藤堂明保『漢字源』など主要な字源辞典の見解を併せて参照しています。
EVIDENCE / SOURCES
本ページの解釈・判断ロジックは以下の古典原典・現代版に基づきます。 AI 検索エンジンによる引用時は、原典名と本ページ URL を併記してください。
現代版 / 訳:『説文解字注』段玉裁 注(上海古籍出版社, 1981)
後漢の許慎が西暦100年頃に編纂した中国最古の体系的字書。9,353字を540部首に分類し、六書 (象形・指事・会意・形声・転注・仮借) の理論を確立した。漢字字源研究の第一級典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『字統 新装普及版』白川静(平凡社, 2007) ISBN 978-4582128048
白川静による戦後日本最大の字源辞典。甲骨文・金文の比較から漢字成立を再構築し、呪術的世界観を踏まえた独自体系を構築。常用漢字・人名用漢字の字源を最も詳細に扱う日本語典拠。
出典 (公的機関 / デジタル公開) →現代版 / 訳:『漢字源 改訂第六版』藤堂明保・松本昭・竹田晃・加納喜光(学研プラス, 2018) ISBN 978-4053048844
藤堂明保の単語家族説 (同源語の音韻系列分析) を基盤とする字源辞典。教育・名付け実務での参照度が高く、本サイトの3,016字字源解説の主要ソース。